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三菱田辺製薬、新薬の臨床試験の計画立案にAIを活用

DIGITAL X 編集部
2018年3月30日

三菱田辺製薬は、新薬の臨床試験に向けた計画立案にAI(人工知能)を使用していることを明らかにした。必要な医療情報を収集・整理する作業を自動化する。三菱田辺製薬と、システムを構築した日立製作所が2018年3月26日に発表した。

 新薬の開発には長い時間がかかり莫大なコストを消費する。さらに最近は、薬価の引き下げやジェネリック医薬品の普及により、医薬品メーカーの売り上げ/利益を圧迫している。そこで三菱田辺製薬は、AI(人工知能)などのデジタル技術を使って、新薬開発にかかる時間とコストの圧縮を図っている。

 三菱田辺製薬が着目したのは、新薬開発の工程の中でも、臨床試験の実施計画の立案作業。経験を積んだ研究者でも長い時間を要する。その大部分は、計画立案前の医学情報の収集である。そうした情報のほとんどは、各種の医学論文と医療情報データベースとして提供されている。

 そこで三菱田辺製薬は、さまざまな医学論文と医療情報データベースから目的の情報を自動的に選別し整理するシステムを2017年初めに導入した(図1)。医療関連にチューニングした自然言語処理技術と、ディープラーニング技術で実現している。これにより、情報収集にかかる時間をおよそ70%短縮できるとしている。

図1:大量の医学論文や医療情報データベースから、臨床試験に必要な情報を収集し整理する

 今後は、今回のシステムを構築した日立製作所と共同で、臨床試験業務全体の効率化に取り組む。そのために種々の実証実験を実施する予定である。一方の日立は、三菱田辺製薬向けに構築した情報収集・整理システムを汎用化し、2018年度から国内外の製薬メーカーに提供していく。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名田辺三菱製薬
業種製造
地域大阪市中央区
課題新薬の臨床試験実施計画の立案には、膨大な知識と経験に基づき必要な医療情報を集め整理する必要がある
解決の仕組み計画立案担当者が参照している医学論文や臨床研究のデータベースなどからの必要なデータの収集・整理を、自然言語処理技術やディープラーニング技術で自動化を図る
推進母体/体制田辺三菱製薬、日立製作所
活用しているデータ医学論文や、データベースに登録がある臨床研究や治験に関するデータ
採用している製品/サービス/技術医療向け自然言語処理技術、ディープラーニング技術(日立製作所製)
稼働時期2017年初め