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愛知の東三河電子連絡帳協議会、在宅医療ネットワークに医療用クラウドサービスを利用

DIGITAL X 編集部
2018年3月30日

愛知県東三河地区で在宅医療・福祉支援を推進する東三河電子連絡帳協議会は、医療情報共有システム「東三河ほいっぷネットワーク」の基盤をクラウドに切り替えた。医師と要介護者などの間での情報交換を容易にする。サービスを提供するIIJが2018年3月26日に発表した。

 「東三河ほいっぷネットワーク」は、東三河電子連絡帳協議会が提供する医師と、要介護者および、その家族とが治療や支援に必要な情報を共有するためのサービス基盤。医療・福祉のサービス提供者が使う「電子@連絡帳システム」と、患者や高齢者などサービスの利用者が使う「電子@支援手帳システム」からなっている。

 一般に介護医療や福祉の現場では、要介護者の情報を医療関係者らに伝えるための手段が、電話やFAXくらいしかなく、症状や状態を正確かつ十分に伝えることが難しい。結局、実際の症状を診たのちに、症状に合った医療用品などを揃えて再訪問するケースも少なくない(図1)。手当てが遅れれば症状が悪化することにもつながる。

図1:電話やFAXでは要介護者の症状や状態を医師に正確に伝えられず、手当てが遅れることがあった

 クラウド版のサービスでは、要介護者は症状や状態をPCにテキストで入力するほか、患部の写真もアップロードできる。医師は、それらの情報と写真から症状を把握することで、必要な薬品や医療用品などをもって要介護者を訪問できるようになる(図2)。

図2:要介護者の状態を写真などから医師が把握できることで、必要な医療用品などを携えて訪問できる

 東三河電子連絡帳協議会が採用したのは、IIJ(インターネットイニシアティブ)が提供する「IIJ電子@連絡帳サービス」。名古屋大学医学部附属病院の先端医療・臨床研究支援センターが開発した情報共有ツール「電子@連絡帳」を、IIJが同センターと共同で商用化したクラウド型サービスである。医療情報の取り扱いに係る各種ガイドラインに準拠したセキュリティレベルを確保しているという。

 IIJとしては今回、IIJ電子@連絡帳サービスの「モバイル版」の提供も始めている(図3)。タブレットやスマートフォンが搭載するカメラや音声認識機能を利用できる。情報入力の効率が高まるとしている。

図3:IIJ電子@連絡帳サービス「モバイル版」の画面例
デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名東三河ほいっぷネットワーク
業種医療・健康
地域愛知県東三河地区
課題介護担当者から担当医への情報伝達に時間がかかり、要介護者への手当てが遅れてしまう
解決の仕組みクラウドサービスに要介護者の状態や患部の写真データなどを集約し、担当医がいつでも確認できるようにした
推進母体/体制東三河ほいっぷネットワーク、インターネットイニシアティブ
活用しているデータ要介護者の健康状態を示すデータ、患部の画像データなど
採用している製品/サービス/技術医療・介護情報共有サービス「IIJ電子@連絡帳サービス」(インターネットイニシアティブ製)
稼働時期2018年3月5日