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台湾のファミマ、新IT店舗でロボットやブロックチェーンなどの実証実験を開始

DIGITAL X 編集部
2018年4月5日

台湾のファミリーマートで、ロボットやブロックチェーンなどの技術の実証実験が始まっている。来店客に新しい種類のサービスを提供し集客数の向上を図ると同時に、自動化による業務負荷軽減を狙う。実証実験に協力する富士通と台湾富士通が2018年3月29日に発表した。

 実験を始めたのは、台湾で3000店舗以上のファミリーマートを運営する全家便利商店(台湾ファミリーマート)。国立台湾博物館のそばにある「台湾ファミリーマート重慶店」で3月29日から開始した。

 まず店頭に、富士通のコミュニケーションロボット「ロボピン」を設置。来店客にお買い得商品や店内イベントなどの情報を提供する。

 店内ではスタンプラリーを実施する。可視光通信による情報配信技術「FlowSign Light」を使い、来店客が専用アプリをインストールしたスマートフォンを店内の商品にかざすとスタンプを提供する(図1)。獲得したスタンプ数に応じて、クーポンを発行する。来店客のスタンプ取得履歴やクーポン利用履歴などの情報をブロックチェーンで管理する。

図1:可視光通信を利用したスタンプラリーの仕組み

 店内には、透明ディスプレイを搭載する冷蔵庫を設置し、商品情報を流す。ここでも専用アプリをインストールしたスマートフォンを映像にかざせば、スタンプを取得できるようにする。映像に埋め込んだ情報を配信する技術「FlowSign Video」を利用する。

 商品の陳列棚には、小型ディスプレイに商品価格を映し出す電子棚札を用意し、POSレジと連動して価格表示を変更できるようにした。電子棚札が表示するQRコードや、内蔵のNFC通信機能を通して、商品の生産履歴やキャンペーンなどの情報を来店客に提供する。

 店舗の入口には、3Dカメラを内蔵した入店カウンターを設置する。カメラの画像から来店客数を把握し、店舗の売上分析や人員配置に活用する。

 今後は、実験結果を検証しながら、システムの機能強化や他店舗への拡大を検討する。並行して、AI(人工知能)や手のひら静脈認証などの利用も検討していく。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名台湾・全家便利商店(台湾ファミリーマート)
業種流通・小売り
地域台湾・台北市中正区重慶南路
課題来店客向けサービスを充実させて、客数を増やしたい。店員の業務負荷を軽減したい
解決の仕組みロボットによる案内や店舗でのスタンプラリーによる集客と、POSレジと連動して価格表示を返られる電子棚札の導入など
推進母体/体制全家便利商店、台湾富士通、富士通
活用しているデータ商品の価格や生産履歴などの情報、来店客数の情報など
採用している製品/サービス/技術ブロックチェーンを活用した顧客情報管理技術、可視光通信を利用した情報配信技術「FlowSign Light」、映像に埋め込んだ情報を配信する技術「FlowSign Video」(富士通製)、透明ディスプレイを搭載する冷蔵庫(台湾LWO Technology製)、電子棚札(仏SES-imagotag製)、3Dカメラ内蔵の入店カウンター(FLIR Systems製)
稼働時期2018年3月29日