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インド・プネ市の路線バス、他の交通機関との乗換を考慮した適時のルート変更などを実現へ

DIGITAL X 編集部
2018年4月6日

インドのプネ市は、路線バスの利便性を高めるために、他の交通機関との乗換を考慮して運行ルートをリアルタイムに変更できる仕組みの実現に着手する。GPS(全地球測位システム)によるバスの運行状況をみながら、運行スケジュールや乗員の配置の最適化を図る。システムは、NECのインド法人であるNEC Technologies Indiaが納入する。NECが2018年3月30日に発表した。

 インド・マハラシュトラ州のプネ市は、市内の「バス高速輸送システム(BRT:Bus Rapid Transit)」の整備を進めている。プネ市の路線バスを運営するPune Mahanagar Parivahan Mahamandal Limited(以下PMPML)は今回、乗客の利便性を高めるため、他の交通機関との乗換を考慮したバスの運行に乗り出す。具体的にはバスのルートを変更したり、運行スケジュールの最適化を図ったりする。

 そのために2つのシステムを導入する。1つは、「車両計画・バスダイヤ編成システム(VPSD:Vehicle Planning Scheduling and Dispatch System)」。運行中のバスの位置情報をリアルタイムに把握し、バスの運行ルートやスケジュールの最適化を図る。

 もう1つは、「バス営業所管理システム(DMS:Depot Management System)」。バスの運行やバス停の運用管理を自動化するためのシステムで、バスの整備に必要なさまざまな部品も管理する。いずれのシステムもNECのインド法人であるNEC Technologies Indiaが受注し納入する。

 NEC Technologies IndiaがPMPMLからBRTのシステムを受注するのは、これが第2弾。2015年7月には、バスの位置情報を把握する「バス位置情報管理システム:Automated Vehicle Location (AVLS)」や、「乗客向け情報提供システム:software and Passenger Information System (PIS)」などを受注している。

 これまでに、790台以上のバスや117カ所の駅の稼働状況を統合的に管理するバス運用管理センターや、バス停にバスの到着情報をリアルタイムに伝える仕組みを構築した。バスの運行状況は、乗客が持つモバイルアプリケーションに向けても提供されている。

 今回は、既存の各種運行管理システムを前提に、バスのルート変更やスケジュールの最適化、それに合わせた乗員配置などに乗り出す。

 NECによれば、インドでは今、100以上の都市がスマートシティに向けたソリューションの導入を検討している。NECとしては、それらの都市に交通や都市インフラのためのシステムを提案していく考えである。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名インドPune Mahanagar Parivahan Mahamandal Limited
業種交通
地域インド・マハラシュトラ州プネ市
課題ほかの交通機関との乗換を考慮したスケジュールでバスを運行したい。バスの運行、整備に当たる人員の負荷を軽減したい
解決の仕組みバス位置情報管理システムからリアルタイムでデータを受け取り、バスのルートを変更し、運行スケジュールや乗員配置計画を作成する
推進母体/体制Pune Mahanagar Parivahan Mahamandal Limited、NEC Technologies India
活用しているデータ運行中のバスの位置情報、運行スケジュール情報など
採用している製品/サービス/技術「車両計画・バスダイヤ編成システム」「バス営業所管理システム」など(NEC Technologies India製)
稼働時期不明(2018年1月にNEC Technologies Indiaが受注)