• UseCase
  • 製造

福岡造船、化学薬品タンカーの配管部品の管理にARコードを導入

DIGITAL X 編集部
2018年4月12日

化学薬品タンカーを建造する福岡造船は、タンカーに組み付ける配管部品の管理にAR(拡張現実)コードを採用した。システムを納入した富士通が2018年4月5日に発表した。

 福岡造船は年間約8隻の化学薬品タンカーを建造している。タンカーに組み付ける配管部品は一隻当たり、およそ1万5000点にもおよぶ。外注業者から、さまざまな部品が続々と届く建造現場では、大量の紙の設計図面を確認しながら、資材置き場に置いてある部品を探してタンカーに組み付けている。そのため、部品の選択ミスや部品を発見できないことによる現場の混乱、膨大な図面を確認する作業にかかる負担などが問題になっていた。

 そこで、タンカーに組み付ける配管部品すべてにAR(拡張現実)マーカーを貼り付け、専用アプリをインストールしたタブレットでマーカーを読み取ることで、部品の組付け位置や図面などの情報を確認できるようにした(図1)。ARマーカーを読み取った際に表示される画面に、作業実績を入力する仕組みも作り、現場管理者が作業状況をリアルタイムで確認できるようにした。組み立て作業が済んだ場所の有効活用や、現場作業員の最適な配置が可能になったとしている。

図1:AR(拡張現実)マーカーを貼り付けた配管部品(左)と、ARマーカーをタブレットのカメラで読み取ったところ

 今回のシステムは、国土交通省が推進する「海事生産性革命(i-Shipping)」において、福岡造船が提出した「ARマーカーを用いた船舶部品情報の活用技術の開発」が採用されたもの。富士通と共同で開発した。福岡造船は今後、システムの運用実績を重ねながら、現場の組み付け作業を視覚的に支援するなど、AR技術をさらに活用するシステムを開発する予定である。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名福岡造船
業種製造
地域福岡市中央区
課題一隻当たり、およそ1万5000点にも達する配管部品の種類、取り付け位置、部品別の図面を作業現場ですぐに確認できるようにしたい
解決の仕組み配管部品すべてのARコードを貼り付け、専用アプリをインストールしたタブレットのカメラでコードを読み取れば、すぐに各種データを確認できるようにした
推進母体/体制福岡造船、富士通
活用しているデータ配管部品の図面や取り付け状況などのデータ
採用している製品/サービス/技術船舶建造現場業務支援システム「FUJITSU Manufacturing Industry Solution PLEMIA Maintenance Viewer」、タブレット用ARマーカー読み取りアプリ(富士通製)
稼働時期不明