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日本水産、生け簀を泳ぐ養殖ブリの成長具合をAIで測定
2018年5月1日
養殖しているブリの大きさと重さをAI(人工知能)で測定するシステムを日本水産が稼働させている。魚を引き上げてのサンプリング計測と異なり、魚が傷つかないうえに、計測時間の短縮や正確さの向上が図れる。システムを納めたNECが2018年4月24日に発表した。
日本水産が稼働させたのは、養殖ブリの成長具合を生け簀内で測定するための仕組み。魚の養殖では、成長具合に合わせて適量な餌を与える必要があるためだ。成長具合から、おおよその漁獲高を見積もれる。この仕組みにより、魚の大きさを短時間で正確に計測できるようになったという。人手による作業と異なり、計測結果にバラツキがないという利点もあるとしてる。
新システムでは、生け簀を泳ぐ魚をステレオカメラで撮影する。ステレオカメラは、対象物を複数の異なる方向から同時に撮影できるため、魚の大きさを立体的にとらえられる。
撮影した画像はクラウド上のAI(人口知能)で分析する。魚の体長(尾叉長)と体高を計測するための基準点を割り出し、魚体の寸法を導き出す(図1)。同時に、魚体重換算モデル式を使って魚の体重を算出する。
従来、魚の大きさを測定する際は、生け簀からサンプルとなる魚を引き上げて測っていた。この方法では、魚の身体に傷が付くほか、測定に時間がかかる。身体の傷が原因で、後に病気にかかってしまう可能性もある。画像を使った測定方法として、生け簀内の画像をコマ送りして特定の魚の大きさを測る方法があるが、時間がかかるという難点がある。
なおNECは、日本水産に納めた仕組みを、計測対象魚種にマグロを加えて「魚長等測定自動化サービス(仮)」として2018年度下期からクラウドサービスとして提供する予定である。
企業/組織名 | 日本水産 |
業種 | 農林水産 |
地域 | 東京都港区 |
課題 | ブリの養殖において、適切な餌の量を決めたり、漁獲高を見積もるために、魚の成長度合いを正しく把握したい |
解決の仕組み | 生け簀の中を泳ぐブリをステレオカメラで撮影し、その画像をAIで分析し大きさと重さを割り出す |
推進母体/体制 | 日本水産、黒瀬水産、NEC |
活用しているデータ | いけすを泳ぐブリの画像データ |
採用している製品/サービス/技術 | ステレオカメラ、ブリの魚体の大きさと重さを分析するAI技術(NEC製) |
稼働時期 | 2017年 |