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三越伊勢丹、店舗で試着した洋服をスマホでレンタルする仕組みの実証へ

DIGITAL X 編集部
2018年6月19日

三越伊勢丹がスマートフォン用アプリケーションを使った服のレンタルサービスの実証実験を開始する。実店舗での試着や店頭の販売スタッフによるアドバイスなど、実店舗とスマホアプリを組み合わせることで、顧客の満足度をどれだけ高められるかを検証する。システムを構築した富士通が2018年6月1日に発表した。

 三越伊勢丹が検証するのは、スマートフォン用アプリケーションを使った服のレンタルサービス。東京都中央区にある旗艦店の1つである「銀座三越」において、まずは従業員を対象に2018年6月18日から6月28日まで実施した後、2018年8月1日から11月30日まで一般顧客に対し実施する。

 洋服のレンタルはオンラインのみでも完結できるが、三越伊勢丹が期待するのは実店舗への来店だ。想定するスマホアプリの使い方は次のようなシナリオである。

 来店客は、店頭に並んでいる商品を見たり試着したりしながら「良い」と思った商品を、商品に付いているQRコードを専用アプリで読み取って登録していく(図1)。その中から、実際に借りたい商品を選択すると、事前登録してあるクレジットカードでレンタル料金が決済される。

図1:スマートフォンで、商品に付いているQRコードを読み取っているところ

 決済が済めば、スマホの画面に表示されるQRコードが店頭の販売スタッフに見せれば良い。販売スタッフは、タブレットでQRコードを読み取ったうえで、レンタルする商品を用意し、顧客に貸し出す。

 併せて、販売スタッフが服のコーディネートやスタイリングなどを提案する仕組みも用意する。コーディネート例を撮影した写真を送ったり、スタイリングについてチャットで相談に乗ったりする機能である。チャットによる相談を受けるには、店頭でスタイリストにフォロー申請する必要がある。

 富士通は今回の検証結果を分析し、アパレル業などに向けた、QRコードを使ったキャッシュレス決済の拡充や利用料型サービスの提供などを検討する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名三越伊勢丹
業種流通・小売り
地域東京都新宿区
課題各種ネットビジネスが台頭する中で、実店舗の価値を生かしたサービスを展開したい
解決の仕組み実店舗で試着した服をスマホアプリを使って容易にレンタルできるようにする。併せて販売スタッフからスタイリングなどをオンラインでも提案できるようにする
推進母体/体制三越伊勢丹、富士通
活用しているデータレンタル用に登録した服のデータなど
採用している製品/サービス/技術アパレルシェアリングサービス基盤、顧客向けスマホアプリ、スタイリスト向けタブレットアプリ、管理者向けタブレットアプリ(いずれも富士通製)
稼働時期三越伊勢丹の従業員を対象に2018年6月18日から6月28日に、一般顧客に対しては2018年8月1日から11月30日まで