- UseCase
- 製造
EVベンチャーの中国BYTON、コネクテッドカーの実現に向け加BlackBerryのリアルタイムOSを採用
中国のEV(電気自動車)ベンチャーであるBYTONは、中国で2019年の発売を予定している市販車にインターネットとの通信機能を持たせるために、カナダのBlackBerryが開発・販売するリアルタイムOSを採用することを決めた。加BlackBerryが2018年6月21日に発表した。
中国のBYTONは、2018年1月に開かれたデジタル製品の展示会CESにおいて、コンセプトカー「M-Byte」を出展(図1)。同時に中国では2019年に、欧米では2020年に量産車を発売することを明らかにした。
M-Byteは自動運転機能やインタネットとの通信機能を搭載する、いわゆるコネクテッドカーになる予定。運転席と助手席の前方に横長の大型ディスプレイ「BYTON Shared Experience Display」を搭載する(図2)。ディスプレイには、走行速度やナビゲーション情報のほか、インターネットから取得したニュースといった情報や、コミュニケーションツールなどの画面をまとめて表示する計画だ。
これらディスプレイに表示するデータのうち、速度など車両の安全に直接関わるデータは、ニュース情報まどのデータとは別に扱うことで安全性を高められる。そこでBYTONは、コネクテッドカーの基本ソフトウェア(OS)に、2つの仮想環境を用意できるリアルタイムOSを採用することにした。一つの仮想環境で、車両の安全に直接関わるソフトウェアやデータを扱い、もう一方の環境でインターネット通信で得られるデータやソフトウェアを動作させる。
採用したリアルタイムOSは、加BlackBerryの「QNX SDP 7.0」。自動車の機能安全規格の国際基準である「ISO 26262 ASIL D」を取得している。BlackBerryは、BYTONのほか、中国Baiduや、米Delphi、英Jaguar Land Rover、米NVIDIA、米Qualcomm、米Visteon、デンソーなどに自動車向けソフトウェアを提供している。
企業/組織名 | 中国BYTON |
業種 | 製造 |
地域 | 中国・江蘇省南京市 |
課題 | 車両の安全に直接関わるデータと、インターネット経由の外部データを扱う必要があるが、セキュリティの観点から両者を別々に扱いたい |
解決の仕組み | 2つの仮想環境を提供できるリアルタイムOSを採用することで、車両の安全に直接関わるデータと、それ以外のデータを分けて扱う |
推進母体/体制 | BYTON、加BlackBerry |
活用しているデータ | 速度など車両の状態を示すデータ、インターネット経由で取得したニュースなどの各種データ |
採用している製品/サービス/技術 | リアルタイムOS「QNX SDP 7.0」、仮想化ソフトウェア「Hypervisor 2.0」(BlackBerry製) |
稼働時期 | 採用ソフトウェアを搭載する量産車を中国では2019年に、欧米では2020年にそれぞれ発売する予定 |