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千葉県木更津市、地域経済活性化を狙い2次元コードで決済可能な電子地域通貨を導入

DIGITAL X 編集部
2018年11月8日

千葉県木更津市が電子地域通貨「アクアコイン」を2018年10月1日から運用を始めている。2次元コードで決済する仕組みとし、地元商店も容易に導入できるようにした。電子地域通貨基盤を提供したフィノバレーの親会社であるアイリッジが2018年9月26日に発表した。

 電子地域通貨「アクアコイン」は、千葉県木更津市と地元金融機関の君津信用組合、および木更津商工会議所が連携して導入した。2次元コードを店頭に設置するだけで済み、地元商店などへの導入負担が軽いのが特徴だ(図1)。市としては、地場経済の活性化を期待する。

図1:「アクアコイン」のスマホアプリ(左)と、店舗に設置したアクアコインの二次元コード(右)

 アクアコインが使えるのは、木更津市内の約310店舗。店舗では現金の取り扱いや管理の手間が減る。売り上げとして入金されたアクアコインは、現金に換金して預金口座に入金したり、他の加盟店への支払いに利用したりできる。

 アクアコインの利用者は専用のスマートフォン用アプリケーションで、店舗にある2次元コードを読み取って決済する。アプリには、店舗情報のほか、GPS(全地球測位システム)を活用した店舗までの道案内など、集客を支援する機能もある。アクアコインの交換レートは1コインが1円。君津信用組合の店舗窓口で最大10万円までチャージできる。

 木更津市は、バブル崩壊後に地域経済が停滞し大きな打撃を受けたものの、2009年に就任した森田 健作 千葉県知事が実施した「アクアライン800円」の社会実験などが功奏し、大型商業施設が進出。都心のベッドタウンとして人口流入も増えている。

 しかし、地元の商店街や中小企業の経済活動は停滞してまま。そこで木更津市は、2017年10月から電子地域通貨によって域内経済を好循環させることの検討を開始。君津信用組合は地域貢献の一環として電子地域通貨「アクアコイン」の導入普及を担当する「地域通貨課」を新設した。その後、木更津商工会議所が参加した。

 実運用に先立ち、2018年3月28日から6月24日までの3カ月間にわたってアクアコインの実証実験を実施した。結果、3000万円の売上目標に対し、約4149万円の売上実績が上がり、利用件数は4852件に達した。木更津市はこの結果を検証し、本格導入を決めた。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名千葉県木更津市
業種公共
地域千葉県木更津市
課題地元の商店街や中小企業を再生し、地域経済を活性化したい
解決の仕組みスマートフォンと二次元コードで利用できる電子地域通貨の導入
推進母体/体制千葉県木更津市、君津信用組合、木更津商工会議所、フィノバレー
活用しているデータ電子地域通貨の取引や残高のデータ
採用している製品/サービス/技術電子地域通貨基盤「MoneyEasy」(フィノバレー製)
稼働時期2018年10月1日