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ローソン、食品のサプライチェーン管理にブロックチェーンを使う仕組みを実証

DIGITAL X 編集部
2018年11月12日

ローソンが、食品の原材料の調達から流通、販売までをブロックチェーン技術を使って管理する仕組みの実証実験を実施した。サプライチェーンに関わる関係者が情報を共有することで、より安全な食の流通の実現を目指したもの。実証用システムを構築したみずほ情報総研が2018年9月26日に発表した

 ローソンが目指しているのは、食品の原材料の生産地から、物流ルート、販売店の在庫、販売日時、消費期限など、サプライチェーン上で発生するすべてのデータを記録できる食品の管理基盤の構築だ。実現できれば、消費者や、メーカー、物流事業者、店舗などいずもが、個々の食品の品質に関する情報を共有でき、サプライチェーン各所での生産性が改善し、食品の安全確保が容易になると期待する。

 その管理基盤の実現に向け、個々のデータを管理する技術にブロックチェーンを利用した。実証実験は、2018年4月から2018年8月までの5カ月、メーカーから店舗での販売までを対象としたシステムを構築して実施した(図1)。食品の商品登録、出荷、入荷、販売、廃棄などの情報をブロックチェーンに記録し、それらの情報を検索できる機能を実装した。

図1:今回の概念実証の範囲

 実験の結果、システムはおおむね狙い通りに機能した。実用化に向けた課題としては、不正検知や、情報公開レベルの設定、トランザクション処理性能などが浮かんできたとしている。ローソンとみずほ情報総研は、これら課題を解消しながら検証を重ね、ブロックチェーンを利用した個別商品の管理基盤の実用化を目指す考えである。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名ローソン
業種流通・小売り
地域東京都品川区
課題食品の原材料の調達地から流通、販売、消費期限に至る一連の情報を一括管理したい
解決の仕組みサプライチェーン上で発生するデータをすべてブロックチェーンに記録する
推進母体/体制ローソン、みずほ情報総研
活用しているデータサプライチェーン上で発生するデータ
採用している製品/サービス/技術ブロックチェーン技術
稼働時期2018年4月から2018年8月までの5カ月、実証実験を実施