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ディノス・セシール、通販での電話受注をAIで無人化する自動応答システムを開発へ

DIGITAL X 編集部
2018年12月6日

テレビ通販などを手がけるディノス・セシールが、コールセンターにおける受注業務の無人化に向け、AI(人工知能)を使った自動応答受注システムの開発に乗り出した。音声認識技術を持つベンチャー企業Hmcommと共同開発する。2018年11月20日に発表した。

 ディノス・セシールが開発するのは、通信販売における電話による受注を無人で完了できるシステム。顧客がAIと電話で会話することで通販の受注を完了できるようにする(図1)。2019年春のシステム稼働が目標だ。

図1:注文の電話が集中した際の顧客対応の概念図

 通販業界は、ネットビジネスの広がりで、PCやスマートフォンを使った注文が増えている。ただテレビ通販やカタログ通販では、電話による発注が一定数存在する。特にテレビ通販では番組の放映中から発注の電話が集中し、オペレーターにつながらないという状況が発生している。

 新システムでは、オペレーターの数に依存する状況を緩和し、集中時にも受注を受け付けられるようにする。24時間365日対応できるため、顧客の利便性向上に加え、オペレーターの人員計画などコールセンター運営の効率化も期待する。

 新システムは、音声認識技術などを持つベンチャー企業のHmcommと共同で開発する。ディノス・セシールは、コールセンター運営のノウハウや経験、データなどを提供、Hmcommは、コンタクトセンター用システム「VContact」と、音声認識技術などを提供する。

 Vcontactは、音声を認識し、テキスト化した会話を分析してFAQ(よくある質問とその答え)から回答候補を選び出す機能を持っている。今回はこれに、電話の集中に対応するための自動応答機能を追加する。

 まずは、テレビ通販のシナリオに沿った自動応答ができる仕組みを開発。将来的には検索や提案機能なども開発し、音声によるネットビジネスである「カンバセーショナル・コマース」の実現も視野に入れる。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名ディノス・セシール
業種流通・小売り
地域東京都中野区
課題通販コールセンターに電話が集中した際に人的容量を超え、つながりにくくなり販売機会を逃している
解決の仕組みAIを用いた音声認識と自動応答により、受注業務の無人化を図り、電話がつながらない状態をなくす
推進母体/体制ディノス・セシール、Hmcomm
活用しているデータ受注時の音声データなど
採用している製品/サービス/技術音声認識機能を持つコンタクトセンターシステム「VContact」(Hmcomm製)など
稼働時期2019年春を予定