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粉末冶金製造のポーライトが工場のIoT化を世界展開、製造状況をリアルタイムに把握

DIGITAL X 編集部
2018年12月28日

粉末冶金製品を製造・販売するポーライトが工場のIoT(Internet of Things:モノのインターネット)化を進めている。2018年11月に中国の工場に導入したのに続き、台湾や日本など世界各地の工場に展開していく。IoT化に向けては、独SAPの製造業向けソフトウェア「SAP Manufacturing Integration and Intelligence」を採用した。SAP日本法人らが2018年12月18日に発表した。

 ポーライトは、粉末冶金製品の製造・販売会社。自動車部品や産業機械、情報機器、家電製品などに使用されており、軸受の生産個数は世界トップである。スマートファクトリー構想を策定し、工場のIoT(Internet of Things:モノのインターネット)に取り組んでいる。

 スマートファクトリー構想は、顧客ニーズへの対応と、サービスレベルや製造品質の向上、全グループの経営資源の有効活用を図るためのもの。その中で、工場の製造設備のIoT化について統一規格も定めた。

 同構想の第1弾として、中国の揚州工場において2018年11月、IIoT(Industrial IoT:製造業におけるIoT)用ソフトウェア「SAP Manufacturing Integration and Intelligence(MII)」(独SAP製)の運用を開始した。MIIは同社の基幹システムである「SAP ERP」(独SAP製)と連携し、工場設備の稼働状況や異常値のリアルタイムな把握や、作業実績の自動登録を可能にした。

 ポーライトの生産拠点は、中国のほか、日本、台湾、シンガポール、マレーシア、アメリカ、インドにあり、営業拠点を香港、フランス、アメリカに置く。今後は、揚州工場同様の仕組みを、台湾や日本の工場などに展開していく予定である。

 スマートファクトリー構想に基づくシステムの導入は、NTTデータ グローバルソリューションズが担当している。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名ポーライト
業種製造
地域中国ほか世界の生産拠点
課題顧客ニーズへの対応とサービスレベルの向上、製造品質の向上、全グループの経営資源の有効活用を図りたい
解決の仕組み工場のIoT化を図り、ERP(基幹業務システム)との連携を図ることで稼働需給をリアルタイムに把握する。そのために、スマートファクトリー構想を描き、製造設備のIoT化について統一規格を定める。
推進母体/体制ポーライト、独SAP、NTTデータ グローバルソリューションズ
活用しているデータ設備ごとの稼働状況、作業実績など
採用している製品/サービス/技術製造業向けIoTソフトウェア「SAP Manufacturing Integration and Intelligence」(SAP製)、基幹システム「SAP ERP」(同)など
稼働時期2018年11月(中国・揚州工場)。台湾や日本など他拠点に展開の予定