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丹波ワイン、ブドウ生育不良や糖度不足などをIoTで防止へ

DIGITAL X 編集部
2019年1月10日

ブドウ農園やワイナリーを経営する丹波ワインが、農園の栽培環境のモニタリング実験に取り組んでいる。ブドウが生育不良や糖度不足などに陥らないように、日射量や土壌の温度・水分値などをIoT(Internet of Things:モノのインターネット)を使って計測する。実証実験に参加する日本ソフト開発、クロイ電機、京セラコミュニケーションシステム(KCCS)の3社が2018年12月20日に発表した。

 丹波ワインが取り組むのは、ブドウ農園の栽培環境を監視する実証実験。収量の予測や施肥の最適化など、農業現場で有効な仕組みの実用化を目指す。同社ワイナリーに隣接するブドウ農園で、2018年11月14日から2019年1月31日までの予定で実施する。

 ブドウ栽培では、日照量の不足による生育不良のほか、降雨量の過多や土壌の水はけ不良による糖度不足などから品質が低下するリスクがある。高品質なブドウを収穫するためには、外気の温度・湿度や日射量に加え、土壌の温度や水分値の適切な管理が必要とされる。

 今回の実証実験では、栽培環境を総合的にモニタリングするために、センサーやIoT(Internet of Things:モノのインターネット)を活用する。通信機能を搭載したセンサー機器で温湿度を計測するほか、通信機に接続した日射計で日射量を、土壌センサーで土壌の温度や水分値を測る。農業IoTクラウドサービスと連携し、データの蓄積と可視化、予測、アラートなども検証する(図1)。

図1:ブドウ農園の栽培環境モニタリング実証実験の概要

 通信に利用するネットワークには、LPWA(Low Power Wide Area:省電力広域無線通信技術)ネットワーク規格の1つである「Sigfox」を使用する。低消費電力でkm単位の長距離通信が可能なため、ランニングコストが低いモニタリング環境を構築できるとしている。

 実験には、日本ソフト開発、クロイ電機、京セラコミュニケーションシステム(KCCS)が参加する。丹波ワインが実験圃場の提供と栽培環境データの検証・評価を、日本ソフト開発は農業IoT関連デバイスの開発とクラウドサービスの提供を、クロイ電機は圃場でのセンサー設置環境の整備とデータ検証作業の支援を、KCCSはSigfoxネットワークの提供を、それぞれ担当する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名丹波ワイン
業種農林水産
地域京都府船井郡京丹波町
課題ブドウの栽培では、日照量不足による生育不良や、降雨量の過多や土壌の水はけ不良による糖度不足といった品質低下リスクがある
解決の仕組み日射量や土壌の温度・水分値などを計測し、データに基づき最適な栽培環境を予測し管理する
推進母体/体制丹波ワイン、日本ソフト開発、クロイ電機、京セラコミュニケーションシステム(KCCS)
活用しているデータ外気の温度・湿度、日射量、土壌の温度や水分値など
採用している製品/サービス/技術IoTに適した通信ネットワーク「Sigfox」(KCCSが提供)、温湿度センサー、日射計、土壌センサー、農業IoTクラウドサービスなど
稼働時期2018年11月14日から2019年1月31日までの予定