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兵庫県、鳥獣被害を抑えるために狩猟用罠のIoT化を推進

DIGITAL X 編集部
2019年2月7日

兵庫県は、イノシシなどによる鳥獣被害を抑えるために、狩猟用の罠にIoT(Internet of Things:モノのインターネット)機能を持たせる機器を導入した。鳥獣の捕獲をリアルタイムに通知したり、データに基づいて出没傾向を分析したりできる。罠に取り付けるIoT対応機器を提供するhuntechが2019年1月28日に発表した。

 兵庫県では、イノシシやシカなどによる鳥獣被害が多発している。2016年度は、イノシシによる被害だけでも、農林業被害が1億9500万円に及んだほか、人身被害が六甲山山麓の神戸市内で33件発生した。生活環境への被害報告も増えており、さまざまな取り組みを実施している。

 今回、狩猟用の罠にIoT(Internet of Things:モノのインターネット)機能を持たせる「スマートトラップ2」(huntech製)を120台導入した。磁気センサーを用いた仕組みで、くくり罠と箱罠の両方に対応する(写真1)。

写真1:箱罠に設置したIoT機器「スマートトラップ2」(左の白い箱)

 スマートトラップ2はGPSを搭載し、これを市販の罠に取り付けることで、鳥獣の捕獲場所をリアルタイムで管理者に通知する(図1)。捕獲情報と罠の設置情報はデータベースにして管理する。蓄積したデータを分析すれば、鳥獣が出没する場所や時間の傾向が分かるため、被害が大きい農家の近くに重点的に罠を設置するなど、より効果的な対策を検討できるようになるとしている。

図1:IoT機器「スマートトラップ2」が鳥獣の捕獲を通知する仕組み

 兵庫県は、スマートトラップ2の導入により、狩猟者の罠の見回り効率を高め、罠の設置や管理に割く時間を増やし捕獲効率の向上を目指す。今後は、狩猟者だけでなく、被害を受けている農家へも利用を働きかけたい考えだ。

 スマートトラップ2の大きさは、100mm×170mm×50mm。3Gの携帯無線でhuntechが運用するクラウドと通信する。アルカリ単3電池×4本で約6カ月間動作する。価格は3万3800円(税別)で、システム利用料は月額980円(同)である。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名兵庫県
業種公共
地域兵庫県
課題イノシシやシカなどによる農林業被害や人身被害、生活環境被害が多発している
解決の仕組み狩猟罠にIoT機能を持たせることで、捕獲をリアルタイムに把握し、出没傾向の分析を可能にする
推進母体/体制兵庫県、huntech
活用しているデータ野生鳥獣の捕獲情報、罠の設置情報など
採用している製品/サービス/技術狩猟罠用IoT機器「スマートトラップ2」(huntech製)、捕獲情報と罠の設置情報を管理するデータベースなど