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損保ジャパン日本興亜、自動車事故の責任割合をドラレコ映像から自動算定するシステムを開発へ

DIGITAL X 編集部
2019年2月21日

損保ジャパン日本興亜は、交通事故における責任割合をドライブレコーダーの映像から自動算定するシステムの開発に乗り出した。ドラレコの映像解析や業務分析を手がけるジェネクストと共同で取り組む。事故原因を特定し探って解決の迅速化を図るのが狙い。2019年2月8日に発表した。

 損保ジャパン日本興亜とジェネクストが共同開発するのは、自動車の交通事故における当事者間の責任割合を自動で算定するシステム。ドライブレコーダーで撮影した衝突時の映像と、GPS(全地球測位システム)による位置情報を基に、AI(人工知能)を使って事故状況を分析できるようにする(図1)。責任割合の判定プロセスを明確にするとともに、事故状況の確認や事故原因の調査などのプロセスを効率化し、迅速な事故解決を目指す。

図1:AI(人工知能)によるドライブレコーダー映像分析のイメージ

 事故の状況を可視化することで、責任割合の交渉工程を簡略化でき、過失判断を迅速に下せるようになるとしている。交渉から解決までに現状、平均60日程度かかっているが、1~2週間程度に短縮できるとみる。顧客に対しても、時間短縮に加え、責任割合の判断基準が正確かつ明快になることで、事故対応全般における納得感が増すと期待する。

 ドラレコ映像の分析にはジェネクストの技術を利用する。1つは、広角レンズでの撮影によって歪んだ画像からでも、速度や相対的な距離、位置情報を正確に分析できる技術。もう1つは、映像から車両の挙動や道路の形態、道路上の標識や横断歩道などの情報を認識し判定する技術である。

 両技術を組み合わせることで、衝突時の映像から、事故に至る双方の車両の動きや道路状況などを読み取る。事故発生前後の契約者および相手の両車両の位置や速度を時系列で抽出する。

 ドラレコから読み取った情報に、損保ジャパン日本興亜が蓄積してきた事故に関する知見などを組み合わせ、責任割合を高確度で自動かつ迅速に判定する。過去に起きた同様の事故の該当図や基本割合・修正割合といった適用根拠などを照らし合わせることで、過失見解を導き出す。

 共同開発の期間は2019年1月から8月まで。2019年内のサービス開始を予定する。今後は、解析した事故の分析結果を、過去の自動車事故に関する判例データベースと照合し、判定結果を自動算出するプロセスへのAI活用を検討していく。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名損保ジャパン日本興亜
業種金融・保険
地域東京都新宿区
課題自動車交通事故における原因の究明や当事者間の責任割合の判定に時間がかかる
解決の仕組みドライブレコーダーで撮影した衝突時の映像などを基に、AI(人工知能)を使って事故状況を分析し、責任割合を自動で算定する
推進母体/体制損保ジャパン日本興亜、ジェネクスト
活用しているデータドライブレコーダーで撮影した衝突時の映像、GPSによる位置情報、過去の事故情報など
採用している製品/サービス/技術(1)ドライブレコーダーやGPS、(2)映像の中から車両の挙動や道路の形態を認識し判定するAI技術、(3)広角レンズで撮影した歪みのある映像から正確な速度や相対的な距離、位置情報を分析できるジェネクストの技術など
稼働時期2019年内を予定(開発期間は2019年1月から8月)