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成田空港、訪日外国人をもてなすIoTトイレを開設

DIGITAL X 編集部
2019年3月29日

成田国際空港は2019年4月3日、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)トイレを開設する。混雑状況を表示したり、トイレの清掃や補充を支援したりする。訪日外国人に日本のトイレ文化を提供するという。トイレを開設するTOTOなどが2019年2月26日に発表した。

 成田国際空港が2019年4月3日に開設する「experience TOTO」は、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)を採り入れたトイレ。温水洗浄便座「ウォシュレット」(TOTO製)などを使った日本のトイレ文化を、訪日外国人に入国後、最初のトイレで体験してもらえるよう、第1ターミナルビルの南ウイング1階(国際線到着ロビー)に設ける。トイレ入り口の正面壁面に大型の液晶パネル4枚を配置し、映像でトイレへ誘引する(図1)。

図1:トイレ外側の液晶パネル4枚に表示する映像の例

 トイレ内の個室の空室/混雑状況と行列の発生状況を、トイレ入口の両脇に設置した液晶パネルに多言語(日本語・英語・簡体字中国語・繁体字中国語・韓国語)でリアルタイムに表示する(図2)。個室のドアに設置したセンサーと、行列状況を感知する解析技術により、トイレの使用状況を算出し表示する。

図2:個室トイレの混雑状況表示イメージ

 ウォシュレットを操作する「タブレットリモコン」も試験的に導入し、先の5言語で使用方法を説明する。操作パネルはタブレット画面の下半分に収め、上半分を使って紹介動画などを表示する(図3)。

図3:ウォシュレットを操作するタブレットリモコンの画面イメージ

 トイレ器具の維持・管理を効率化するためのモニタリングも試験導入する。器具のセンサー情報やON/OFF情報を監視し、「清掃管理」「設備管理」の2つに整理して可視化する。各トイレ器具の利用頻度や、トイレ内の個室の長期滞在、水石けんの残量などを遠隔で把握し、清掃・補充の最適化や安全管理を支援する。

 多機能トイレと車いす使用者優先トイレには、多言語対応の音声ガイド機能を試験導入する。入室後に言語を英語/中国語/韓国語/日本語から選択すると、便座へ座ったり便座から離れたりする際に、適切な音声ガイドを流す。多機能トイレに不慣れな訪日外国人でもスムーズに利用できるようにする。

 タブレットリモコンと混雑状況の表示は、TOTOとNTT東日本、バカンの共同企画による。トイレ器具のモニタリングは、TOTOとKDDIの共同企画である。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名成田国際空港
業種交通
地域千葉県成田市
課題訪日外国人に入国最初のトイレで”おもてなし”として日本のきれいなトイレ文化を体験してほしい
解決の仕組みIoTを活用し、混雑状況を表示したり、5言語対応のタブレットリモコンで操作できるようにする。IoTデータを使い清掃や補充を支援する
推進母体/体制成田国際空港、TOTO、NTT東日本、バカン、KDDI
活用しているデータトイレ内の個室のドアに設置したセンサーなどから得られる空室/混雑状況、トイレ器具のセンサー情報やON/OFF情報など
採用している製品/サービス/技術トイレ内の個室の空室状況を監視するセンサー、行列状況を感知する解析技術、トイレ器具を監視するセンサー、タブレットリモコンや音声ガイド機能
稼働時期2019年4月3日