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ジャックス、コールセンターに顧客との会話から回答候補を導くAIシステムを導入

DIGITAL X 編集部
2019年4月8日

クレジットカード会社のジャックスは、コールセンターにおける顧客への問い合わせ対応において、AI(人工知能)による支援システムを2019年3月5日に稼働させた。回答マニュアルなどから回答候補をAIで選定し、オペレーターの画面に表示する。AIには日本IBMのサービスを利用する。2019年3月6日に発表した。

 ジャックスが導入したのは、同社「カスタマーセンター」における電話での問い合わせ業務を支援するAI(人工知能)システム。顧客への応答時間や、新人オペレーターの研修時間の短縮を図るのが目的だ。

 同社はこれまで、回答マニュアルなどを紙やデータベースで管理していた。多くの商品を扱う中、情報を網羅するマニュアルは複雑になり、新人オペレーターなどが、それを理解し顧客対応ができるまでには長期の研修が必要だった。

 新システムでは、回答マニュアルや各種キャンペーン情報などをクラウド上で一元管理する。オペレーターと顧客との会話をテキストに自動変換して分析。そこから関連するマニュアルなどを検索し、回答候補をオペレーターの操作画面に表示する。回答候補が正しかったかどうかをフィードバックすることで、機械学習により回答の精度を高めていく。

 これにより、オペレーターの平均通話時間や保留時間を短縮できるとともに、経験年数を問わず顧客対応の品質を高められると期待する。新人オペレーターの研修時間も3割程度短縮できると見込んでおり、研修担当者とオペレーターの業務負荷の軽減も図る。

 今後は、自社WebサイトのFAQ(よくある質問とその答え)の拡充などを通じ回答をスムーズに得られる仕組みの向上を図る。データとAIを活用して、個々の顧客に適した商品/サービスの提供も目指す。

 支援システムは、日本IBMが提供するコンテンツ分析基盤の「IBM Watson Explorer」、AIによる類似文書検索エンジン「Similarity Search」、文書などを一元管理するクラウドサービス「IBM Cloud」(同)などを使って実現している。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名ジャックス
業種金融・保険
地域東京都渋谷区(本部)
課題コールセンターで問い合わせへの応答時間や新人の研修時間を短縮したい
解決の仕組み顧客との会話をテキストに自動変換したうえで分析し、関連するマニュアルなどを検索し、回答候補をオペレーターの画面に表示する
推進母体/体制ジャックス、日本IBM
活用しているデータ問い合わせへの回答マニュアル、顧客との会話の音声など
採用している製品/サービス/技術コンテンツ分析基盤「IBM Watson Explorer」、AIを用いた類似文書検索エンジン「Similarity Search」、文書などを一元管理できるクラウドサービス「IBM Cloud」(いずれも米IBM製)など
稼働時期2019年3月5日