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JAL、航空機の整備を遠隔から支援する仕組みに5G通信による4K/8K映像やARを使う実証実験

DIGITAL X 編集部
2019年4月16日

日本航空(JAL)は、航空機の整備を遠隔から支援する仕組みにおいて、5G通信を使った実証実験に取り組む。4K/8K映像による細部の確認や、AR(Augmented Reality:拡張現実)による業務の共有などに利用する。実験はKDDI総合研究所やKDDIと実施する。2019年3月13日に発表した。

 日本航空(JAL)が実施するのは、機体整備士の作業を遠隔から支援する仕組みの実証実験。5G通信を用い、4K/8Kの映像による状況確認や、AR(Augmented Reality:拡張現実)を使った業務の共有などでの効果を確かめる。

 具体的には「整備作業の遠隔支援」と「同一拠点内での整備作業支援」の2つを実験する。

 整備作業の遠隔支援は、出発準備中の航空機の近くや格納庫などにいる整備士に対し、離れた場所にいる指示者が作業を確認・指示するもの(図1)。4K映像を使い、細かな部品が多く使われている電子部品の解体/組み立ての指示を、指示者が映像を確認しながら円滑に実施できるかどうかを検証する。

図1:4K映像を使って整備作業を遠隔から支援する

 併せて、KDDI総合研究所が開発した、4K映像伝送に対応したAR(Augmented Reality:拡張現実)遠隔作業支援システムも検証する。検証には、訓練用部品を使用する。

 同一拠点内での整備作業支援には、8Kの映像を用いる。事前に格納庫内で撮影した航空機の外観映像を使い、同一拠点内での伝送速度を検証する(図2)。将来的には高解像度の映像を活用した目視検査への活用なども検証するとしている。

図2:同一拠点内での整備作業支援には8K映像を使用

 実験はJALと、KDDI総合研究所、KDDIで実施する。JALは、航空機整備業務などに関する方針やユースケースのほか、オープンイノベーションのための拠点「JAL Innovation Lab」を提供する。KDDI総合研究所は、実証実験のほか、5Gの無線特性を生かした技術を開発する。KDDIは5G通信環境を提供する。

 なお3社は、2018年11月に空港サービスへの5Gの利用を実証実験しており、機体整備への適用は第2弾になる。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名日本航空(JAL)
業種交通
地域東京都品川区(本社)
課題航空機の整備士の作業を遠隔から支援したい
解決の仕組み4K/8K解像度の映像で細部を確認したり、AR(Augmented Reality:拡張現実)を用いて業務を共有したりする。そのために高速・低遅延な5G回線を用いる
推進母体/体制日本航空(JAL)、KDDI総合研究所、KDDI
活用しているデータ航空機整備の現場を撮影した4K/8K映像など
採用している製品/サービス/技術4K/8K映像技術、AR(Augmented Reality:拡張現実)技術、5G通信回線など