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東京都杉並区、街の安全や防災の強化に向け街路灯にセンサーを設置しIoT化

DIGITAL X 編集部
2019年4月18日

東京都杉並区は、街の安全や防災を目的に、既設の街路灯に各種センサーを設置し、人流や冠水などを監視する実証実験に取り組んでいる。街路灯自体のメンテナンス業務にも利用する。センサーなどを提供するオプテックスが2019年3月18日に発表した。

 東京都杉並区が取り組むのは、街の安全や防災を強化するためにIoT(Internet of Things:モノのインターネット)を利用する実証実験。区内全域に整備している街路灯に各種センサーを設置し、街路灯から得られるデータから人流や冠水の発生、設備の稼働状況などを監視する(写真1)。

写真1:実証実験中のセンサーを付けた街路灯(左)と冠水センサー

 街路灯に設置するセンサーは、人感、冠水、傾斜・揺れ、電流、温度など(図1)。人感センサーで人流データを収集し、行政の基礎情報やサービス向上に利用する。冠水センサーは道路の水位レベルを計測し、冠水情報のお知らせや住民の安全や水害対応に利用する。

図1:街路灯に設置する各種センサー

 傾斜・揺れセンサーと電流センサーは街路灯自体のメンテナンス用。前者で街路灯の傾きや揺れを検知し、腐食や老朽化による倒壊や破損の予兆を把握する。後者では、街路灯の電球切れを監視し早期に修繕することで夜間の交通安全や防犯に利用する。さらに、設備や周囲の温度を温度センサーで測定する。

 街路灯には、省電力で広域通信ができるLPWA(Low Power Wide Area)規格の「Sigfox」対応の無線通信機を搭載し、センサーデータを送信する。

 実験場所は、区内の阿佐ヶ谷駅や荻窪駅の周辺と、同地域の学校など数カ所。2019年1月から約1年間の予定である。センサーを開発するオプテックスが実験に協力。各種センサーから得られるデータの有効性や街路灯活用の可能性を研究する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名東京都杉並区
業種公共
地域東京都杉並区
課題街の安全や防災を強化したい
解決の仕組み人流や冠水などを監視するための各種センサーを既設の街路灯に設置し、データを遠隔地から一括で監視する
推進母体/体制東京都杉並区、オプテックス
活用しているデータ人感、冠水、傾斜・揺れ、電流、温度の各センサーの計測値など
採用している製品/サービス/技術上記の各センサー(オプテックスが提供)、IoTネットワーク「Sigfox」など
稼働時期2019年1月から約1年間の予定