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米Bumble Bee Foods、マグロのトレーサビリティを確保する仕組みをブロックチェーンで実現
2019年5月8日
米水産食品会社のBumble Bee Foodsが、マグロの流通経路を追跡するシステムを構築する。消費者は、製品に表示されたQRコードをスマートフォンで読み取れば、原産地や生産工程に関する情報を入手できる。より安全なデータ共有と改ざん防止に向けブロックチェーン技術を採用している。ブロックチェーンサービスを提供する独SAPが2019年3月8日(現地時間)に発表した。
米Bumble Bee Foodsは、常温で保存できる水産食品などを生産する会社。今回、インド洋産キハダマグロのステーキを対象に工場から食卓までの流通経路を追跡できる仕組みを構築する。
同ステーキの消費者や顧客は、製品パッケージに貼付されたQRコードをスマートフォンで読み取れば、使われているマグロの大きさや捕獲地点、捕獲した漁業チーム、生産工程など、マグロが市場に届くまでの各種情報を受け取れる。真正性や新鮮さ、安全性、公正な漁業取引の証明、持続可能性を確認できる知見なども提供することで、食品の安全性や資源枯渇の不安がないかなどを知りたいという消費者ニーズに対応する。
関係者全員が情報を安全かつ確実に共有・確認できるようにするため、ブロックチェーン技術を利用したのが特徴だ。ブロックチェーン技術が提供する、改ざんへの耐性や、その検証などにより、サプライチェーン上での履歴の不正操作などを防ぐ。これにより、海上の捕獲地から、コールドチェーンを経た倉庫、小売店、そして消費者の食卓までの食品サプライチェーン全体での透明性とトレーサビリティーを確保する。
ブロックチェーン技術には、独SAPがサービス形態で提供する「SAP Cloud Platform Blockchain」を採用した。分散型台帳技術を使って、業種や業務 をまたがる仕組みや既存アプリケーションとの連携などが可能である。Bumble Bee Foodsは、SAPのブロックチェーンサービスを生産工程に取り入れた最初の食品会社だという。
企業/組織名 | 米Bumble Bee Foods |
業種 | 農林水産 |
地域 | 米カリフォルニア州サンディエゴ |
課題 | マグロのステーキに関する情報を、捕獲地から食卓までを追跡し消費者に公開したい |
解決の仕組み | ブロックチェーン技術を使って、関連情報の改ざん防止や安全な共有を実現できる仕組みを構築する |
推進母体/体制 | 米Bumble Bee Foods、独SAP |
活用しているデータ | ステーキの材料であるマグロの大きさや捕獲地点、捕獲者、生産工程、公正な漁業取引の証明などのデータ |
採用している製品/サービス/技術 | ブロックチェーンサービス「SAP Cloud Platform Blockchain」(独SAP製)など |