- UseCase
- 製造
独フォルクスワーゲンが122工場をつなぐIoTシステムを構築、サプライヤーとも共有へ
2019年5月22日
独自動車メーカー大手のフォルクスワーゲン(VW)は、同社の122の工場で稼働する生産システムや装置・設備を接続するIoT(Internet of Things:モノのインターネット)クラウドを構築する。サプライヤーとも共有する。クラウド基盤「MindSphere」を提供する独シーメンスが2019年3月29日(ドイツ時間)に発表した。
独フォルクスワーゲン(VW)が構築する「フォルクスワーゲン インダストリアルクラウド」は、同社の122の工場で稼働する生産システムや種々のメーカーが異なる装置や設備を接続するためのIoT(Internet of Things:モノのインターネット)プラットフォームだ。
同クラウドを構築するために独シーメンスと協業し、同社が提供するクラウドプラットフォーム「MindSphere」上に構築する。フォルクスワーゲン インダストリアルクラウドとしては、米AWS(Amazon Web Services)と共同開発する。
フォルクスワーゲン インダストリアルクラウドは、同社に部品などを供給するサプライヤーとも共有する。サプライヤーは利用するだけでなく、新しい機能やサービスを共同開発する。将来的には、1500社以上のサプライヤーが持つ3万以上の生産拠点を含むグローバルなバリューチェーン全体を網羅する計画だ。
たとえば、機械の予防保守の実行に向けて、保守サイクルを事前に計算するアプリケーションを、クラウドからすべての工場に展開する。サプライヤーや機械メーカーに対して、データ分析で得たナレッジを活用しバリューチェーンにおける生産環境をより効果的に運営できるようにする。
機械や装置などから得られる生産データは、クラウドに送信する前にエッジシステムでも処理し、複雑化している生産工程の最適化や、クラウドのデータ品質の向上を図る。
企業/組織名 | 独フォルクスワーゲン |
業種 | 製造 |
地域 | 独ヴォルフスブルク(本社) |
課題 | サプライヤーを含めたバリューチェーン全体の生産性を高めたい |
解決の仕組み | 各工場の生産システムや装置・設備を接続するクラウドを構築し、稼働状況を可視化・分析 |
推進母体/体制 | 独フォルクスワーゲン、独シーメンス、米AWS(Amazon Web Services) |
活用しているデータ | 生産システム、機械や装置から得られる生産データなど |
採用している製品/サービス/技術 | IoTプラットフォーム「MindSphere」(独シーメンス製)、クラウド基盤サービス(米AWS製)など |