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伊藤忠ロジスティクス、米でトラックの運行状況を可視化するIoTの実証実験

DIGITAL X 編集部
2019年5月27日

伊藤忠ロジスティクスが米国で、トラックの運行状況を可視化するためのIoT(Internet of Things:モノのインターネット)システムの実証実験に取り組んでいる。顧客にも配送状況を知らせたり一定圏内に入れば通知したりする。システム面を支援するNTTドコモとともに2019年4月18日に発表した。

 米国でトラックの運行管理の実証実験に取り組んでいるのは、伊藤忠ロジスティクスとNTTドコモそれぞれの米国法人。「傭(よう)車」と呼ぶ、繁忙期などに利用する自社で保有していない車両を対象に、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)を使って運行状況の可視化を図る。2019年5月1日に開始し6月28日まで実施する予定だ。

 実験では、伊藤忠ロジと顧客を対象にしたポータルサイトを構築し、トラックの位置を5分ごとに更新・表示する(図1)。トラックが配送先付近の一定エリアに到着すれば、メールで顧客と伊藤忠ロジに通知もする。顧客は配送状況を把握でき、伊藤忠ロジでは急ブレーキの頻度も把握し安全管理に利用できる。

図1:傭(よう)車に取り外し可能なIoT端末を搭載し、運転状況を自社と顧客とで共有する

 今回の実験では、取り外しが可能なIoT(Internet of Things:モノのインターネット)端末を利用しているのが特徴の1つ。借り受けている傭車にIoT機器を常設するのが難しいためだ。配送物に合わせて傭車を選択するという自由度も確保できる。

 採用したIoT端末の大きさは、約123mm×約81mm×約32mmで、バッテリーまたは太陽電池で駆動する(写真1)。IP66等級に準拠した防水・防塵(じん)性能を持つ。内蔵センサーは、GPS(全地球測位システム)による位置情報のほか温度や湿度、明るさ、気圧、加速度、バッテリー残量などを取得できる。

写真1:傭車に設置するIoT端末

 IoT端末を接続するため通信回線には、IoT向け省電力無線通信「LTE-M」を使う。1回の充電で3400回通信ができ、情報更新が1日1回であれば場合は約10年利用できる(今回の実験では約10カ月間)。

 実験では、伊藤忠ロジの米国法人が、傭車およびIoT端末を設置・管理し、NTTドコモの米国法人が、IoT端末やポータルサイトを含むシステム全体を提供・運用する。回線を含めたマネージドサービス「Globiot(グロビオ)」を使う。傭車の運送会社や配送先からのフィードバックも反映させる。

 両者の本社は、実証した仕組みを商用サービスにして、日本およびアジアでの展開を検討する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名伊藤忠ロジスティクスの米国法人
業種物流
地域米国(実験実施地域)、東京都港区(伊藤忠ロジスティクス本社)
課題傭車(自社保有ではない運搬車両)の運行状況をIoTを使って可視化し、運送管理の効率を高めたい
解決の仕組みバッテリーや太陽電池で駆動し、車体からの取り外しが可能なIoT端末を傭車に設置し、無線通信を介して運行状況を自動収集する
推進母体/体制伊藤忠ロジスティクス、NTTドコモ、両社の米国法人
活用しているデータ傭車の位置情報や急ブレーキの頻度などの運行データ
採用している製品/サービス/技術バッテリーや太陽電池で駆動する取り外し可能な車載IoT端末、IoT向け省電力無線通信「LTE-M」、情報を可視化する専用のポータルサイトなど
稼働時期2019年5月1日から同6月28日まで(実験期間)