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ベトナムの都市開発会社Ecopark、スマートシティでの自動走行車の実証実験をヤマハらと実施

DIGITAL X 編集部
2019年5月31日

ベトナム北部のスマートシティ「Ecopark」で、電動小型車両の自動運転に向けた実証実験が始まっている。エネルギー消費や環境負荷を抑えながら、住民の生活水準の向上を目指す。同都市を開発する越Ecoparkが、ベトナムのIT最大手のFPTソフトウェアとヤマハ発動機と共同で取り組む。FPTソフトウェアが2019年4月11日(ベトナム時間)に発表した。

 越Ecoparkなどが検証しているのは、スマートシティにおける電動小型車両の自動運転システムの利用価値。Ecoparkが掲げるスマートシティ構想に沿って、AI(人工知能)などの情報技術を利用し、エネルギー消費や環境負荷が低い小型EV(電気自動車)による移動手段を用意するのが目的だ。

 実験では、ゴルフ用カートをベースにしたEVに、AIやLiDAR(光検出と測距)技術を使った自動運転用ソフトウェアを開発する。事前に定めた地点への運行や、ルート上の車線の識別、乗客の要求に応じた停止・駐車・降車、走行中の障害物の検出・回避などを可能にする。

 2019年末までには、路上の車両や障害物を検知した減速や、運転手がいなくても自動で駐車できる機能、モバイルアプリケーションからの予約などの実現を目指す。

 実験には、Ecoparkのほか、ベトナムのIT最大手のFPTソフトウェアとヤマハ発動機と共同で取り組む。2019年4月11日に共同開発の覚書を調印した(写真1)。FPTソフトウェアが自動運転用ソフトウェアを開発。ヤマハ発動機は、ゴルフ用のEVカートの提供と、ロードテストにおける技術支援およびコンサルティングを担う。

写真1:EcoparkとFPTソフトウェア、ヤマハ発動機は自動運転の小型EV車両の開発の覚書を結んだ

 Ecoparkは、ベトナムの首都ハノイの南東に位置するスマートシティ。約500ヘクタールの広大な緑地に、総合的な都市計画に基づく多様な施設を備えている。「緑豊かな市街地からスマートでモダンなグリーンシティへ」がビジョンであり、環境に配慮したEVの自動運転はEcoparkにおいて2019年の大きな関心事になっている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名ベトナムEcopark
業種建設
地域ベトナム北部
課題スマートシティ構想に沿って環境負荷が小さい移動手段を用意したい
解決の仕組み電動小型車両の自動運転で運行する
推進母体/体制越Ecopark、越FPTソフトウェア、ヤマハ発動機
活用しているデータ自動運転に必要な各種データや運行データなど
採用している製品/サービス/技術AI(人工知能)など
稼働時期2019年末までにスマートフォンからの予約などを可能にする