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竹中グループのアサヒ ファシリティズ、建物管理システムの統合に向けクラウド上に新システムを構築

DIGITAL X 編集部
2019年6月5日

竹中工務店グループで建物の管理を手がけるアサヒ ファシリティズは、建物の遠隔管理システムを刷新し、現場に駆け付ける技術員が最新状況を直接把握できるようにした。各種データの共通管理基盤の第1弾になる。新システムの構築を支援したソフトバンク・テクノロジーが2019年4月17日に発表した。

 アサヒ ファシリティズは竹中工務店のグループ会社として、日本国内で数千の建物を管理している。電気や空調、給排水衛生設備などを管理し、その保守・点検を担っている。これまでもIoT(Internet of Things:モノのインターネット)の仕組みを使い24時間365日体制での遠隔監視を実施してきた。

 今回、将来の「建物情報プラットフォーム」構想を実現するための第1弾として、ビル設備の集中管理システムを刷新し2019年2月に稼働させた。他の管理システムとの連携やデータの統合を図れるようクラウド上に新システムを構築した。

 新システム「ASAHI BUILDING CORE」は、ビル設備である電気や空調、給排水といった設備を遠隔監視し、保守・点検業務の効率を高めるためのシステム。従来、遠隔監視拠点に常駐する担当者が障害を検知すれば、最寄りの拠点に報告し、担当者を現場に向かわせていた。

 ASAHI BUILDING COREでは、現場の技術員が直接、建物の状況を把握できるようにした。現場の技術員はPCやタブレット端末から障害情報を閲覧したり、建物や設備から集まる種々のデータを現場で活用したりができる。全国、数百棟の建物を遠隔管理しているが、機器の設置・維持コストにおける削減効果が出始めているという(図1)。

図1:ASAHI BUILDING COREの管理画面の例

 同社が進める建物情報プラットフォーム構想では、これまで独立していた複数のシステムを連携し、それらのデータを標準化して利用することを考えている。そのためには、システムの拡張性やIoTデバイスとの連携、セキュリティなどの要件を満たす必要がある。そうした観点から基盤には、米マイクロソフトが提供するパグリッククラウド「Microsoft Azure」を採用したという。

 Azure選定に当たっては、2017年秋にPoC(概念検証)を実施したうえで建物情報プラットフォームの要件定義。2018年7月に開発を開始した。システム構築はソフトバンク・テクノロジーが支援した。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名アサヒ ファシリティズ
業種サービス
地域東京都江東区(本社)
課題拠点からの24時間365日の建物の遠隔管理業務の効率化を図りたい
解決の仕組み現場に駆け付ける技術員が、タブレットなど自分の端末で直接、状況を把握する
推進母体/体制アサヒ ファシリティズ、ソフトバンク・テクノロジー、米Microsoft
活用しているデータビル設備の状態や非常時の警報、点検用情報など
採用している製品/サービス/技術クラウド基盤「Microsoft Azure」(米Microsoft製)、現場技術員のタブレット端末、IoTデバイスなど
稼働時期2019年2月