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富士ゼロックス、商業印刷機の保守点検にスマートグラス使い遠隔から支援

DIGITAL X 編集部
2019年6月7日

富士ゼロックスが、商業印刷機の保守点検業務にスマートグラスを2019年5月から全国で導入している。現場のカスタマーエンジニアに対し、熟練技術者が遠隔地から現場の状況にあった指示を出す。システムを開発したNTTデータ ニューソンとともに2019年4月16日に発表した。

 富士ゼロックスが導入したのは、商業印刷機(プロダクションプリンター)の保守点検業務を熟練技術者が遠隔地から支援するためのシステム。2019年4月に東京で運用を始め、同5月から全国展開している。

 新システムでは、客先に出向くカスタマーエンジニア(CE)がスマートグラスを装着。遠隔地のサポートセンターにいる熟練CEは、スマートグラスで撮影した現場の状況を共有しながら、保守業務をリアルタイムに支援する。熟練CEが出向かなくても適切な作業が可能になり、難度が高い作業の保守時間が約3割、短縮できると見込んでいる。

 スマートグラスは、顧客から事前に許諾を受けたうえで利用する。ハンズフリーで操作できるよう、音声で操作・制御するボイスコマンドと、頭の傾きで操作・制御するジャイロマウスなどを採用した。スマートグラス本体にクライアントソフトを導入し、クラウド上のサーバーを経由して、映像や画像、音声をサポートセンターの熟練技術者と共有する(図1)。

図1:現場のエンジニアと遠隔地にいる熟練エンジニアが、現場の映像や画像、音声を共有する

 セキュリティ対策として、クライアントとサーバーの間の通信にSSL暗号化を採用したほか、PINコード認証や、スマートグラス本体の画像/動画を自動で消去する機能などを持たせた。富士ゼロックスのセキュリティ要件に合わせており、商業印刷機の設置現場や周囲の社内風景の情報漏えいを防ぐ。

 利用しているスマートグラスは、セイコーエプソン製の「MOVERIO BT-300」。情報共有などの仕組みには、NTTデータ ニューソンが提供する「InfoMesh Visual Navigator」を使っている。

 富士ゼロックスは今後、商業印刷機の設置時の特殊装置や特殊設定のサポートなどにもスマートグラスを利用していく予定である。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名富士ゼロックス
業種製造
地域東京都港区(本社)
課題商業印刷機の保守において難易度が高い作業でも、経験が浅いカスタマーエンジニアでも対応できるようにしたい
解決の仕組みスマートグラスを使って現場のエンジニアと遠隔地にいる熟練者で状況を共有し、指示を出す
推進母体/体制富士ゼロックス、NTTデータ ニューソン
活用しているデータ保守現場の映像や画像、音声など
採用している製品/サービス/技術スマートグラス「MOVERIO BT-300」(セイコーエプソン製)、スマートグラス活用ソリューション「InfoMesh Visual Navigator」(NTTデータ ニューソンが提供)など
稼働時期2019年4月に東京で、同年5月から全国展開