• UseCase
  • 製造

澤藤電機、ハイブリッドトラック用小型モーターの生産ラインにIoTを導入し工数低減や不良/故障の防止へ

DIGITAL X 編集部
2019年8月14日

電装品や電子製品などを製造する澤藤電機は、ハイブリッドトラック用の小型モーターの生産ラインをIoT(Internet of Things:モノのインターネット)技術を使って構築した。各種データを使って生産・品質・保守を管理し、工数の低減や、不良の発生や設備故障の防止を図る。2019年5月28日に発表した。

 澤藤電機は、バスやトラックを対象に、エンジンとモーターを同載するハイブリッド化のためのモーターなどの生産事業を拡大している。2016 年にハイブリッド路線バス用の大型モーターの生産を開始。2019年は4月に日野自動車のハイブリッドトラック用の小型モーターと制御用ECU(Electronic Control Unit)の、5月にはハイブリッドトラック用の大型モーターとバッテリーパックの生産をそれぞれ開始した(写真1)。

写真1:澤藤電機が事業拡大で取り組むバスやトラック用の小型ハイブリッドモーターや大型ハイブリッドモーター、バッテリーパック

 これらの生産ラインのうち、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)を用いて構築したのは、新田工場内に設置した日野自動車のハイブリッドトラック用小型モーターの生産ライン(写真2)。材料データや各工程の組み立て・検査データを収集するトレーサビリティー機能と、工程ごとに良・不良を判定し不良品を次工程に送らないようにする「ポカヨケ管理機能」を持つ。

写真2:IoTを導入した小型HVモーターの組み立てライン

 IoTで得られるデータは生産管理、品質管理、保守管理に活用し、生産性と品質の向上を目指す(図1)。生産管理では、完成品や仕掛品(製造途中の製品)の生産実績をリアルタイムに表示し、工程を可視化する。生産管理システムと連動させ、要員算出の自動化に取り組む。

図1:IoTデータを使った生産管理(黄色の部分)、品質管理(水色の部分)、保守管理(緑色の部分)を実施する

 品質管理では、専用サーバーに保管されているデータから管理グラフを自動生成し監視する。今後は、傾向管理に基づく予測により品質異常を事前に発見できるようにする。

 保守管理では、設備点検簿を電子化し設備の“健康状態”を把握。計器やセンサーからのデータを基に設備異常の予兆を監視できるシステムを構築していく。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名澤藤電機
業種製造
地域群馬県太田市
課題バスやトラックに向けたハイブリッドモーターなどの事業拡大に向け、工数低減や合理化、不良品の発生、ラインの停止などを防ぎたい
解決の仕組み生産ラインにIoTを導入し、データに基づく生産管理・品質管理・保守管理を実現する
推進母体/体制澤藤電機
活用しているデータ材料データや工程ごとの組立・検査データ、完成品や仕掛品の生産実績、設備点検簿など
採用している製品/サービス/技術IoT、センサー、各種データを蓄積・管理するサーバーなど
稼働時期2019年4月