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カタール航空、運航業務と乗務員を一元管理するシステムを外販
中東・カタールのカタール航空が、運航業務と乗務員を一元的に管理するシステムを開発し、外販に乗り出している。機材繰りや保守計画を最適化し、安全意識や効率・収益性の向上を支援できるとする。共同開発したインドのIT大手ウィプロが2019年6月10日(米国東部夏時間)に発表した。
カタール航空が開発したのは、航空会社の安全意識や効率・収益性の向上を支援する「トータル・オペレーション・システム(TOPS)」。長期・短期の保守計画や、機材繰りを含む日々の運航管理、移動管理、運航追跡など、運航業務と乗務員管理の全ビジネスプロセスをカバーする。
まずは乗務員管理向けの「TOPSクルー」から外販する。TOPSクルーは、乗務員管理のための仕組みとして、休暇の取得・計画、乗務員の研修、乗務員の追跡などを管理し、乗務員の業務管理や、コストの最適化、生産性の最大化を支援し、業務の遅延を抑制する。
航空会社が業務上の問題に対処できるよう、「what-if」分析ツールを提供する。動的なルールチェック機能により、現場での変更が法令を順守しているか、航空会社が規定する要件に従っているかを確実にチェックし、乗務員の法規違反も検知する。欧州航空安全局(EASA)の要件にも準拠した。
TOPSでは、機材繰りや保守計画などの複雑な最適化問題に対して、OR(オペレーションズ・リサーチ)ベースのツールを使用する。航空会社の「オペレーション・コントロール・センター(OCC)」を、機能横断的なチームが連携しデータ分析により意思決定ができる「統合オペレーション・センター(IOC)」に変える可能性があるとしている。
カタール航空の客室サービス担当上席副社長のSaliya Karunanayake氏は「当社は250機以上の機体を運用しサービスを提供している。急拡大する世界航路全体のさらなる生産性最大化と効率向上をTOPSが支えている」と述べている。
TOPSは、オンプレミスとSaaS(Software as a Service)の両方のモデルで提供する。
企業/組織名 | カタール航空 |
業種 | 交通 |
地域 | カタール・ドーハ |
課題 | 安全意識や効率・収益性の向上を図りたい |
解決の仕組み | 運航業務と乗務員管理をカバーする統合的なシステムを開発し、データ分析に基づく意思決定を図る |
推進母体/体制 | カタール航空、印ウィプロ |
活用しているデータ | 機材繰りを含む日々の運航管理、移動管理、運航追跡、保守計画などのデータ |
採用している製品/サービス/技術 | 航空会社向け統合IT製品スイート「トータル・オペレーション・システム(TOPS)」(カタール航空が印ウィプロと共同開発)など |