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居酒屋展開のゲイト、自社漁場での漁獲量予測に向けたIoTを実証中

DIGITAL X 編集部
2019年9月20日

東京都内で居酒屋などを展開するゲイトが、三重県にある自社漁場において漁獲量予測に向けたIoT(Internet of Things:モノのインターネット)の仕組みを実証実験している。水温や水中の様子を撮影するスマートブイを設置した。KDDI総合研究所と共同で実施している。2019年7月22日に発表した。

 ゲイトは、都内で「かざくら」「くろきん」という居酒屋9店舗を展開する企業。食材へのこだわりから、漁業の現場で進行する高齢化や後継者不足といった課題への危機感から、自ら漁場を運営し、自社加工、自社物流と組み合わせた垂直統合型のビジネスモデルを構築している。

 これまでに、生産地の活性化を図るために三重県尾鷲市で2018年に定置網漁を開始。2019年5月には三重県熊野市甫母町で休漁していた超小型定置網漁の操業を開始した。

 今回は、漁場における漁獲量を予測し漁業の効率化を図るために、三重県尾鷲市須賀利町にある自社の定置網漁場において、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)の実証に取り組んでいる。

図1:三重県尾鷲市須賀利町のゲイト漁場での実証実験の様子

 具体的には、水温などを測定できるスマートブイと、水中の様子を撮影できるカメラブイを設置し、これらデータから漁獲量を予測する。加えて、スマートブイが持つ加速度センサーを使った波高推定も実験し、漁業の安全性向上に寄与するデータの取得も検討する。

 実験は、KDDI総合研究所と共同で実施している。同研究所は、2016年に宮城県石巻湾漁場(宮城県東松島市)でスマートブイの実証実験を開始するなど、漁師の勘や経験に依存しない漁業の実現に取り組んできた。ゲイトとの実証では、漁獲予測に向けたデータの拡充や分析精度の向上、応用範囲の拡大などを目指す。

 スマートブイなどの実験機材の提供とデータ分析はKDDI総合研究所が担当し、ゲイトはスマートブイの漁場への設置やメンテナンス作業、漁獲量データの提供などを担う。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名ゲイト
業種農林水産
地域三重県尾鷲市および三重県熊野市(実証実験地)、東京都墨田区(本社)
課題高齢化や後継者不足に悩む漁業の効率化・活性化を図り、よい食材を提供したい
解決の仕組みIoTの仕組みを使いデータに基づいて漁獲量を予測できるようにする
推進母体/体制ゲイト、KDDI総合研究所
活用しているデータスマートブイが収集するデータ、カメラブイによる水中映像、気象データなど
採用している製品/サービス/技術IoT、スマートブイ(KDDI総合研究所製)
稼働時期2019年4月