• UseCase
  • 交通

沖縄・石垣市と竹富町、離島船舶やバス、タクシーつなぐMaaSを実証実験へ

DIGITAL X 編集部
2019年9月26日

沖縄県・八重山諸島の石垣市と竹富町は2019年11月、観光客の利用を対象にしたMaaS(Mobility as a Service)の実証実験を開始する。離島船舶やバス、タクシーをつなぎ、一定期間乗り放題にすることで観光客の回遊性を高めるのが狙い。実験に参画するIT大手のTISなどが2019年7月9日に発表した。

 沖縄県の石垣市と竹富町で2019年11月から始まるのは、観光客の回遊性を高めるのを目的にしたMaaS(Mobility as a Service:サービスとしての移動)の実証実験。地域の離島船舶やバス、タクシーといった公共交通手段を観光客に対し一定期間、乗り放題にする(図1)。

図1:八重山諸島で進められる地域観光型MaaSのイメージ

 そのために、各交通機関の乗車券を電子チケット化し、スマートフォンでチケットを表示すれば加盟事業者(加盟店)で利用できるようにする。キャッシュレスによるチケット事前購入も可能にする。

 各交通機関の乗降や利用などの各種データを収集・分析することで、消費者と、交通事業者、商業・観光事業者のそれぞれにメリットのある施策を実施したい考えだ。観光客の利便性向上や、公共交通分担率(交通手段における公共交通手段の割合)の向上といった効果も検証する。

 実験の主体となるのは「八重山MaaS事業連携体」。IT大手のTISと、沖縄観光の情報発信などを手がける沖縄セルラーアグリ&マルシェのほか、琉球銀行、JTB沖縄、八重山ビジターズビューロー、石垣市、竹富町の計7者が参加する。

 TISは、MaaS基盤の構築と実証全体を取りまとめ、沖縄セルラーアグリ&マルシェがMaaS基盤のうち加盟店の利用環境を構築し、併せてスマートフォン用アプリケーション「沖縄CLIP」やパスチケットを提供する。

 琉球銀行は、キャッシュレス決済への対応を、JTB沖縄は、交通と商業を連携した旅行商品を企画・立案する。両者は加盟店の獲得も担当する。

 八重山ビジターズビューローは、八重山地域の観光地情報に関する観光客からの問い合わせに対応するほか、観光施設との連携強化のために助言する。石垣市と竹富町は、市/町の交通施策や観光施策との連携強化に向けて助言する。

 実験期間は2019年11月から2020年2月まで。将来的には、地域住民の交通利用の利便性向上、さらには沖縄県全体への拡大を目指すとしている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名八重山MaaS事業連携体
業種交通
地域沖縄県石垣市、同竹富町
課題観光地における観光客の回遊性を高めたい
解決の仕組み地域の離島船舶やバス、タクシーといった公共交通手段が一定期間乗り放題になるMaaSを提供する
推進母体/体制TIS、沖縄セルラーアグリ&マルシェ、琉球銀行、JTB沖縄、八重山ビジターズビューロー、石垣市、竹富町
活用しているデータ離島船舶やバス、タクシーといった公共交通機関の乗降や利用などの各種データ
採用している製品/サービス/技術MaaS、電子チケット、データ分析ツールなど
稼働時期2019年11月から2020年2月まで