• UseCase
  • 製造

トッパン・フォームズ関西、生産現場での社員のストレスを分析するAIを実証中

DIGITAL X 編集部
2019年10月3日

帳票類の製造・販売を手がけるトッパン・フォームズ関西が、生産現場における社員のストレスをAI(人工知能)でモニタリングする仕組みの実証実験に取り組んでいる。ウェアラブルデバイスでデータを収集し、社員のストレスレベルとその原因を特定し業務改善策を検討する。2019年8月29日に発表した。

 トッパン・フォームズ関西が取り組んでいるのは、ストレスなどを含む感情的な負荷をAI(人工知能)でモニタリングする仕組みの実証実験。ストレスを軽減する施策を実施し、その軽減策の有効性を検証することで、健康経営や働き方改革の取り組みを支援するサービスの開発につなげるのが目的だ。大阪府三島郡にある大阪桜井工場で、2019年9月から2020年3月まで実施する。

 実験では、生産現場で働く写真にウェアラブルデバイスを装着してもらい、そこから得られるデータを使って、社員のストレス状況を把握し、その原因を特定。そこから業務プロセスや人員配置の見直しといった改善策を策定し実施する。実施した改善策の有効性を検証する。

 感情的な負荷の分析には、イスラエルのスタートアップ企業The Elegant Monkeys(TEM)が開発する「KENKO Technology」を使う。感情分析エンジン「KENKO AI Algorithm」を備え、種々の生体情報を感情データに変換し、ストレスを含む感情負荷を定量化できるとしている。データはディープラーニングとAIでリアルタイムに可視化する。

 実験には、トッパンフォームズとTEMのほか、村田製作所と、みずほ情報総研が参加する。トッパンフォームズは実証場所の提供と、データ流通プラットフォームの「PDS(パーソナルデータストア)」によるデータや生産情報などの管理を担当する。

 村田製作所はKENKO AI Algorithmに必要な生体情報を収集するウェアラブル機器を提供。みずほ情報総研は、感情測定データに基づく組織や業務プロセスの改善のためのコンサルティングサービスを提供する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名トッパンフォームズ
業種製造
地域大阪府三島郡(実証実験地)
課題社員のストレス状況を把握し業務改善・生産性向上を図れるようなサービスを開発したい
解決の仕組みウェアラブル機器が収集する生体情報をディープラーニングとAIで分析し、ストレスなどの原因を特定し、業務改善策を立てる
推進母体/体制トッパンフォームズ、みずほ情報総研、村田製作所、イスラエルThe Elegant Monkeys(TEM)
活用しているデータ社員の生体データ、生産情報など
採用している製品/サービス/技術感情分析技術「KENKO Technology」(TEM製)、ウェアラブル機器(村田製作所が提供)、データ流通プラットフォームの「PDS(パーソナルデータストア)」(トッパンフォームズが提供)
稼働時期2019年9月から2020年3月まで