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住友ゴム、国内外全12拠点にIoT/AI基盤を2025年までに導入へ

DIGITAL X 編集部
2019年10月25日

住友ゴムが、タイヤ製造における生産性や品質を高めるためにIoT(Internet of Things:モノのインターネット)基盤のグローバル展開に乗り出している。生産設備の稼働を示すデータを取得・解析することで、生産性や品質の向上を目指す。システム構築で協業する米PTC日本法人や日立製作所とともに2019年10月3日に発表した。

 「DUNLOP」「FALKEN」などのブランドで各種タイヤをグローバルに製造・販売する住友ゴムは2018年下期から、名古屋工場(愛知県豊田市)をモデル工場にして、製造条件と品質の相関性の解析に取り組んできた。そのためにIoT(Internet of Things:モノのインターネット)やAI(人工知能)のための基盤も構築した(図1)。

図1:タイヤの製造工程における生産設備の稼働データを収集し、AIで解析する

 これまでに、IoT/AI基盤の構築により、データの収集・解析時間が90%短縮できたほか、生産時に発生する不良品の発生を30%低減できるなど、品質や生産性の向上などへの有用性を確認できた。そのため国内外すべてのタイヤ工場へ導入を進めることを決めた。2025年までに国内外に12拠点ある全タイヤ工場へ導入する。

 導入するIoT/AI基盤は、タイヤの生産工程である、混合・材料・成形・加硫の各工程において、生産設備の稼働データをリアルタイムに監視したり、工場内の生産ラインや製造拠点間で異なるFA(ファクトリーオートメーション)システムのデータを統合したりするためのもの。

 統合したデータは製造現場の状況を一元的に可視化するために利用するほか、AIで網羅的に解析することで、品質や生産性、設備予知保全、省エネルギー化などに影響を与える要因を、高速かつ高精度に探索・抽出する。これより意思決定速度を高め、生産性や品質の向上を目指す。

 IoT/AI基盤の構築では、米PTC日本法人と日立製作所と協業する。PTC日本法人は、IoT基盤「ThingWorx」を提供し、日立は、データを解析するためのAIアプリケーション群をクラウドサービス「Lumada」経由で提供する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名住友ゴム
業種製造
地域愛知県豊田市(モデル工場)、兵庫県神戸市(本社)
課題タイヤの製造品質や生産効率を高めたい
解決の仕組み生産設備の稼働データを基に製造条件と品質の相関性をAIで解析する
推進母体/体制住友ゴム、米PTCの日本法人、日立製作所
活用しているデータ各拠点の生産設備の稼働データなど
採用している製品/サービス/技術IoTアプリケーション開発基盤「ThingWorx」(米PTC製)、データを解析するAIアプリケーション群(日立製作所製)など
稼働時期2025年までに国内外12拠点に導入