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JCB、本人情報の流通・連携に向けブロックチェーン使う基盤を富士通と共同研究

DIGITAL X 編集部
2019年10月29日

JCBは、複数の事業者が管理する本人情報(ID)を安全に連携するための基盤を富士通と共同研究する。業種や業界を越えた本人確認や、連絡先変更などの手続きが一括でできるサービスの実現を目指す。2019年10月10日に発表した。

 JCBが富士通と共同研究するのは、オンライン取引などを実施する事業者間で、それぞれが持つ利用者の氏名や住所、年齢や経歴といった本人情報をやり取りするための基盤。利用者自身が情報の連携範囲を制御できるようにすることで、プライバシーを守りながら、情報の信用性を担保できるようにする(図1)。

図1:事業者間で本人情報を連携するにあたり、連携範囲を利用者自身が制御できるようにする

 共同研究の主眼は、事業者など第三者から提供された本人情報を本人の意思で開示できる「自己主権型/分散型アイデンティティー」の仕組み。同仕組みを組み込んだ基盤上で、複数の事業者が持つ本人情報を相互に連携させ新しいサービスやビジネスモデル、オペレーションモデルについても検討する。

 研究に向けてJCBは、同社が保有する決済や認証の機能と、事業者間の資金精算などの運営スキームの知見を提供する。富士通は、オンライン上で流通する本人情報の真偽判断や、自己主権型の情報流通技術「IDYX(IDentitY eXchange)」(開発:富士通研究所)、ブロックチェーン技術に関するシステム開発・運用の知見などを提供する。

 研究期間は2019年10月10日から1年間の予定。2020年度中の実用化を想定し、各事業者が持つ機能やサービスを相互・横断的につなげ、安全性と利便性の高いサービスの実現を目指す。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名ジェーシービー(JCB)
業種金融・保険
地域東京都港区(本社)
課題複数事業者が持つ本人情報を連携するためには、プライバシーの保護と信用性の担保を両立する必要がある
解決の仕組み本人情報の連携範囲を本人が制御できる「自己主権型/分散型」の情報流通・管理基盤を構築する
推進母体/体制JCB、富士通
活用しているデータ個人の氏名や住所、年齢や経歴などの本人情報
採用している製品/サービス/技術ID情報の真偽判断や自己主権での受け渡し制御ができるID情報流通技術「IDYX(IDentitY eXchange)」(富士通研究所が開発)、ブロックチェーン技術
稼働時期2019年10月10日から1年間の予定(研究期間)