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東京臨海副都心、オンデマンド型シャトルやシェアサイクル、鉄道などを組み合わせるMaaSの実証実験へ

DIGITAL X 編集部
2019年11月12日

東京臨海副都心エリアで2020年1月、観光客を対象にしたMaaS(Mobility as a Service:サービスとしての移動)の実証実験が開始される。オンデマンド型シャトルやシェアサイクル、鉄道など複数の移動手段を組み合わせ、キャッシュレスで利用できるようにする。実験に参加するナビタイムジャパンなどが2019年10月11日に発表した。

 東京臨海副都心は、東京湾に面する埋め立て地で、港区・台場、江東区の有明と青海、品川区・東八潮と複数の特別区にまたがるエリア。レインボーブリッジや大型の商業施設、スポーツ施設、国際展示場、住宅地などが点在する。2020年の東京オリンピック/パラリンピックの、いくつかの競技会場でもある。

 同エリアは、関連企業・団体などで作る東京臨海副都心まちづくり協議会を中心に、街作りが進められている。今回、観光客を対象にしたMaaS(Mobility as a Service:サービスとしての移動)の実証実験を2020年1月から開始する。交通渋滞の解消や交通が不便な地域への快適な移動、観光スポットへの輸送や回遊率の向上などを目的にする。

 MaaSとしては、無料のオンデマンド型シャトル(相乗り自動車)や、シェアサイクル、東京臨海高速鉄道の「りんかい線」を組み合わせ、それぞれをキャッシュレスで利用できるようにする(図1)。

図1:東京臨海副都心で実験するのは、オンデマンド型シャトルやシェアサイクル、鉄道などを組み合わせたMaaS(Mobility as a Service:サービスとしての移動)

 観光客には専用のスマートフォン用アプリケーションを用意する。多言語に対応する同アプリでは、(1)複数の交通機関を対象にした最適経路の探索・提案、(2)オンデマンド型シャトルの配車依頼、(3)鉄道とシェアサイクルでのキャッシュレス決済、(4)観光スポットなどの情報やクーポンの提供などを可能にする。

 スマホアプリでの経路検索条件やGPS(全地球測位システム)による移動データなどを収集し分析する。そこから観光客の行動の変化やニーズを把握し、MaaSの商用化に向けた課題解決や新たなサービス創出を図りたい考えだ。

 実験には、東京臨海副都心まちづくり協議会のほか、ナビタイムジャパンとJapanTaxi、ドコモ・バイクシェア、東京臨海高速鉄道、KDDIが参加する。

 ナビタイムが実験全体を企画・運営し、経路探索エンジンやスマホアプリの提供、移動データの分析を担う。JapanTaxiはオンデマンド型シャトルを担当し、日本交通が運行する車両を貸し切り、その運賃を負担する。

 ドコモ・バイクシェアはシェアサイクルを、東京臨海高速鉄道はりんかい線を運営し、それぞれに1日乗車券を用意する。KDDIは、キャッシュレス決済技術を提供するほか、スマホアプリの開発支援とプロモーションを担う。観光関連コンテンツは、東京臨海副都心まちづくり協議会が制作する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名東京臨海副都心まちづくり協議会など
業種公共
地域東京都の港区、江東区、品川区にまたがる東京臨海副都心エリア
課題観光客を対象にスムーズな移動や回遊率の向上を図れる移動手段を提供したい
解決の仕組みオンデマンド型シャトルやシェアサイクル、鉄道などを組み合わせたMaaSを実現する
推進母体/体制ナビタイムジャパン、JapanTaxi、ドコモ・バイクシェア、東京臨海高速鉄道、KDDI、東京臨海副都心まちづくり協議会
活用しているデータ専用のスマートフォン用アプリケーションにおける経路検索条件データやGPSデータなど
採用している製品/サービス/技術マルチモーダル経路探索エンジン、分析システムなど
稼働時期2020年1月(実証実験を開始)