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柏の葉ゲートスクエアなど、太陽光発電設備の点検をIoT・AIで自動化へ

DIGITAL X 編集部
2019年11月18日

千葉県柏市にある複合施設「柏の葉ゲートスクエア」と商業施設「ららぽーと柏の葉」が、太陽光発電設備の点検を自動化するために、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)とAI(人工知能)を2020年1月から試験導入する。同エリアの街づくりを手がける三井不動産などが2019年10月31日に発表した。

 三井不動産が街づくり事業として進める千葉県柏市の「柏の葉エリア」では、2014年から太陽光発電や蓄電池といった分散電源を街区間で相互に融通するスマートグリッドを運用し、省エネルギーやCO2削減などに取り組んできた。

 同エリアの複合施設「柏の葉ゲートスクエア」と商業施設「ららぽーと柏の葉」には、2800枚の太陽光発電パネルを設置している。これらの保守業務を軽減するために、太陽光発電部の点検をIoT(Internet of Things:モノのインターネット)とAI(人工知能)で自動化するシステムを2020年1月から試験導入する。

 試験導入するのは、パネルごとの異常を素早く検知するための仕組み。パネル1枚1枚に外付けしたセンサーで電圧や温度などのデータを取得し、クラウド上でAIで分析する(図1)。

図1:太陽光発電設備の保守管理のためのIoT・AIシステムの概要。発電パネルの電圧や温度などをセンサーで取得し、ゲートウェイ経由でクラウドに送りAIで分析する

 これによりパネル単位で遠隔保守・管理できるようにし、発電量の最大化を図るほか、設備の検査コストやパネルの定期交換コストなど、ライフサイクルコスト全体の削減を目指す。

 導入するIoT基盤は、電流型電力線通信技術「PPLC-PV」に基づき、ヒラソル・エナジーが開発する太陽光発電用の基盤である。

 太陽光発電設備は、パネル1枚の不具合が全体の発電量に影響を及ぼす。だが、発電量が下がっているパネルを特定するためにこれまでは、人がすべてのパネルを点検し不具合箇所を探し出していた。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名三井不動産(柏の葉ゲートスクエア、ららぽーと柏の葉)
業種製造
地域千葉県柏市・柏の葉エリア
課題太陽光発電の運用効率を高めるために、発電パネル1枚1枚を人手で点検しなければならなかった
解決の仕組み各パネルの電圧や温度などをセンサーで計測し、クラウド上でAIで分析することで不具合パネルを早期に検出する
推進母体/体制三井不動産、ヒラソル・エナジー
活用しているデータ太陽光発電パネルの電圧や温度のデータなど
採用している製品/サービス/技術電流型電力線通信技術「PPLC-PV」に基づく太陽光発電用IoT基盤(ヒラソル・エナジー製)
稼働時期2020年1月から試験導入