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ユニマットRC、訪問介護サービスの信用度を玄関施錠のIoT管理で高める仕組みを実証実験

DIGITAL X 編集部
2019年11月18日

訪問介護サービスなどを手がけるユニマット リタイアメント・コミュニティ(ユニマットRC)は、鍵の不正使用などによる家宅侵入を防ぐために玄関の施錠をIoT(Internet of Things:モノのインターネット)で管理する実証実験を2019年12月初旬から始める。システムを提供するSYNCHROとともに2019年10月23日に発表した。

 ユニマット リタイアメント・コミュニティ(ユニマットRC)の訪問介護看護サービスは、定期巡回・随時対応型と呼ぶもの。介護と看護を連携させ、老人ホームと同等のケアを自宅で提供する24時間の介護サービスである。

 同サービスにおいて、利用者との信頼関係を強化するためには、屋内に入れる介護者を正確に管理し、安心感を高める必要がある。鍵やカードの紛失や盗難、あるいは不正使用などによる家宅侵入が起こったり、介護者が不必要な時刻に屋内に入り家を荒らしたりしては、サービスの安全・安心感が損なわれる。

 そこで2019年12月初旬から、担当する訪問介護者だけが予定の時刻のみ屋内に入れる仕組みの実証実験を開始する。訪問介護サービスの利用者宅の玄関の施錠をIoT(Internet of Things:モノのインターネット)を使って管理することで実現する(図1)。

図1:訪問介護の利用者宅への不審者侵入を防ぐ仕組みのイメージ。訪問者の日時を指定し、ワンタイムパスコードを用いる

 具体的には、訪問日時を事前に登録しておき、開錠時には暗証番号に加え、一度だけ有効なワンタイムパスコードを併用し、登録日時にのみ開錠できるようにする。予定訪問時刻と実際の訪問時刻が大きく異なればパスコードを発行しない。

 実験では、訪問介護サービスの拠点内に地域別サポートセンターを設置。同センターで、訪問する介護スタッフや看護師の氏名や携帯番号の情報、訪問スケジュールをクラウド管理センターにあらかじめ登録しておく。サービス利用者からの希望の訪問日時なども受け付ける。

 訪問宅の玄関には専用端末を設置する。スケジュールに沿って訪問したスタッフらは、事前登録された携帯電話を使って、専用端末に表示される電話番号を使ってクラウド管理センターに電話する。この電話番号は、随時または定期的に変更し安全性を保つ。

 クラウド管理センターからは、自動音声によりワンタイムパスコードが伝えられる。スタッフは、そのパスコードと暗証番号を専用端末に入力し開錠する。クラウド管理センターは、対象者や期間、日時・場所などから判別し、専用端末をコントロールしている。

 こうした施錠管理の仕組みには、住宅用のアクセス制御サービスを開発するSYNCHROの「助っ人番」を利用する。SYNCHROは2018 年に、ICカードと静脈認証を組み合わせた玄関用の認証装置を開発。今回の仕組みは新たに開発した。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名ユニマット リタイアメント・コミュニティ(ユニマットRC)
業種医療・健康
地域東京都港区(本社)
課題訪問介護サービスの信用度を高めるには、鍵の不正使用などによる侵入を防ぎ、特定の訪問介護者のみが予定時刻だけ屋内に入れるようにしたい
解決の仕組み玄関の施錠をIoTで管理し、事前登録した訪問日時のみ開錠できるようにする
推進母体/体制ユニマットRC、SYNCHRO
活用しているデータ訪問する介護スタッフらの氏名や携帯番号の情報、訪問スケジュール、暗証番号とワンタイムパスコードなど
採用している製品/サービス/技術玄関用訪問者管理IoTシステム「助っ人番」(SYNCHRO製)
稼働時期2019年12月初旬から実証実験を開始