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東急電鉄が全車両に4G対応の防犯カメラ、LED蛍光灯一体型を採用

DIGITAL X 編集部
2019年11月25日

東急電鉄は2020年3月から、全車両にLED蛍光灯と一体になった防犯カメラの導入を開始する。4Gデータ通信に対応しており、車内の様子を遠隔地からリアルタイムに把握するのが狙い。鉄道車両へのデータ通信機能を持つLED蛍光灯一体型防犯カメラの設置は、これが初めてという。2019年11月6日に発表した。

 東急電鉄が導入するのは、LED蛍光灯一体型防犯カメラの「IoTube(アイ・オー・チューブ)」。4Gデータ通信により、カメラ映像を遠隔地の管理事務所などに送信できる。ネットワーク関連事業などを手がけるMOYAIが開発し、ソフトバンクが販売と通信サービスを手がけている。

 1車両当たり4台を基本に設置する(図1)。2020年3月に切り替えを開始し、2020年7月までに東急電鉄に所属する全1257両(こどもの国線を除く)に導入する計画だ。

図1:LED蛍光灯一体型防犯カメラの「IoTube(アイ・オー・チューブ)」を1車両当たり4台を基本に設置する

 これまでも車内には防犯カメラを設置してきた。だが、その映像の確認は、カメラから記録媒体を抜き取り事務所などに持ち帰ってから専用PCで実施する形だった。IoTubeでは、遠隔地から映像映像をほぼリアルタイムに確認できるようになる。これにより車内でのトラブルなどにも迅速に対応できる仕組みを整備する。

図2:4Gデータ通信対応の防犯カメラに切り替えることでリアルタイム性を高める

 導入に先立ち、東急電鉄とソフトバンクは、2019年5月末から6月末にかけて、大井町線の一部車両へのIoTubeの試験導入を開始。2019年9月からは田園都市線の一部車両にも試験導入してきた。その結果、IoTube本体の強度や映像の撮影角度、データ通信のための電波強度などが確認できたことから正式導入を決めた。

 将来的には、IoTubeに多様なセンサーを搭載し、同データを活用することで、AI(人工知能)やIoT(Internet of Things:モノのインターネット)を組み合わせたネットワークカメラに進化させ、不審物の自動検出といった新サービスや新規事業の創出を目指す。

 なおプライバシーの保護に関しては、車内に防犯カメラ設置車両であることを周知するステッカーを張り出すほか、記録映像を閲覧できる社員を限定するなどで対応するとしている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名東急電鉄
業種交通
地域東京都渋谷区
課題車内の安全確保に向け防犯カメラの設置を進めているが、映像の確認は記憶媒体を持ち帰ってからしかできずリアルタイムに対応できない
解決の仕組み車内の蛍光灯の一部をLED蛍光灯一体型の4Gデータ通信対応防犯カメラに切り替える
推進母体/体制東急電鉄、ソフトバンク
活用しているデータ車内の映像データ
採用している製品/サービス/技術LED蛍光灯一体型防犯カメラ「IoTube(アイ・オー・チューブ)」(MOYAI製)、4Gデータ通信サービス(ソフトバンク製)
稼働時期2020年3月(2020年7月までに全車両に搭載予定)