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福島県いわき市、環境に配慮しながら地域の活性化を目指し小型EVバスを実証

DIGITAL X 編集部
2019年12月2日

福島県いわき市が、次世代交通システムの実証を2019年11月26日から始めている。10人乗りの低速で走るEV(電動)バスを使い、スマートフォンからの予約に応じた最適なルートで運行する。システムを提供するソフトバンクやMONET Technologiesなどとともに2019年11月19日に発表した。

 福島県いわき市などが実証するのは、環境に配慮しながら、地域住民や来訪者などの移動手段の確保と、観光地や市街地の回遊性向上を目指す次世代交通システム。2019年11月26日から2020年3月8日まで、いわき市の小名浜地区(小名浜港周辺の観光・市街地エリア)で実施する。

 今回の実証は、環境省の「IoT技術等を活用したグリーンスローモビリティの効果的導入実証事業」の一環。いわき市と小名浜まちづくり市民会議、磐城タクシー、ソフトバンクが応募したプロジェクトが採択された。「グリーンスローモビリティ」とは、電動で、時速20km未満で公道を走る4人乗り以上の乗り物だ。

 いわき市の実証では、10人乗りの低速で走行するEV(電動)バスの「eCOM-8^2」(シンクトゥギャザー製、「^2」は二乗を表す)を使い、オンデマンド型と定時・定路線型で運行する(写真1)。

写真1:実証で運行する10人乗りの低速電動バス「eCOM-8^2」(シンクトゥギャザー製)

 オンデマンド型では、スマートフォン用アプリケーションを用意し、乗車予約や運行状況を確認できるようにようにし、予約状況に応じた最適なルートで運行する。

 地域活性化にも取り組む。実証車両の利用者に「乗車証明書」を発行し、地域内87の観光施設や商店などで提示すると特典が受けられるようにする。車内では、地域情報などをサイネージで発信する。

 実証には、いわき市のほか、小名浜まちづくり市民会議、磐城タクシー、ソフトバンク、MONET Technologies、電通、シード・プランニングが参加する。いわき市が実証事業の総合調整などを担い、小名浜まちづくり市民会議は地域主体となる。

 磐城タクシーが低速電動バスを運行。ソフトバンクは全体的なシステムを提供し、MONETはオンデマンド配車基盤と運転手向け運行管理システムを、電通は車内サイネージなど向け情報配信基盤をそれぞれ提供する。シード・プランニングは実証の効果測定や結果の分析を担う。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名福島県いわき市など
業種公共
地域福島県いわき市小名浜港周辺の観光・市街地エリア(実証地)
課題環境に配慮しながら、地域住民や来訪者などの移動手段を確保し、観光地や市街地の回遊性向上を図りたい
解決の仕組み小型の低速電動バスをオンデマンド型などで運行する
推進母体/体制いわき市、小名浜まちづくり市民会議、磐城タクシー、ソフトバンク、MONET Technologies、電通、シード・プランニング
活用しているデータ乗車予約データや運行ルート、運行状況、車内サイネージで発信する地域情報など
採用している製品/サービス/技術低速電動バス「eCOM-8^2」(シンクトゥギャザー製、磐城タクシーが運行)、オンデマンド配車基盤と運転手向け運行管理システム(MONET Technologiesが提供)、車内サイネージなど向け情報配信基盤(電通が提供)など
稼働時期2019年11月26日から2020年3月8日まで(実証期間)