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三菱地所、倉庫向けコンサル開始に向け倉庫内のAGVや作業員の動きをAIで解析する実証実験

DIGITAL X 編集部
2019年12月6日

三菱地所が、倉庫内での AGV(Automated guided vehicle:無人搬送車)や従業員の動線をビデオ画像のAI(人工知能)解析で把握する実証実験に取り組んでいる。同社物流施設のテナントへのコンサルティングサービスを提供するのが目的だ。2019年11月27日に発表した。

 三菱地所が実施しているのは、倉庫内の動線や作業員の動きをAI(人工知能)で解析する実証実験。自社で運営する物流施設「ロジクロス名古屋笠寺」(名古屋市)において2019年11月25日から同12月20日まで実施する予定である。結果を基に、テナント企業に向けた倉庫運営の最適化・効率化に向けたコンサルティングサービスを提供するのが目的だ。

 実験では、同施設のテナントである高末と八神製作所の協力を受け、両社の専有部に合計5台のカメラを設置。作業員やAGV(Automated guided vehicle:無人搬送車)が往来する様子などを撮影・記録する。その映像をAIで解析した結果を基に、たとえば、動線が効率的に構築されているか、ボトルネックや交錯の可能性がないか、あるいは作業員やAGVが滞留していないかなどを確認する(写真1)。

写真1:倉庫内に設置したカメラの映像をAIで解析し作業員などの動線を把握する

 解析結果に基づき、適切な作業員の配置や効率的な倉庫内レイアウトなど、倉庫運営業務の最適化・効率化に向けたコンサルティング案を作成し、テナントへ提言する。その効果を踏まえ、コンサルティングサービスとして提供できるかどうかを検証する。

 実験には、三菱地所とテナント両社のほかに、映像解析用のAI技術を開発するニューラルポケットが参加する。同社のAI解析技術では、単眼カメラ1台で広範囲の空間を認識できるため、設備投資コストを抑えられるという。映像はセキュリティや通信コストを考慮し、端末側でデータ解析する。解析結果はリアルタイムに可視化する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名三菱地所
業種物流
地域名古屋市(実証実験地)、東京都千代田区(本社)
課題自社物流施設のテナントに倉庫内の動線やレイアウトなどの最適化を図るコンサルティングサービスを提供し、サービスの高付加価値化を図りたい
解決の仕組み倉庫内にカメラを設置し作業員やAGV(無人搬送車)を撮影し、AIで解析して状況を把握する
推進母体/体制三菱地所、ニューラルポケット、高末、八神製作所
活用しているデータ倉庫内で撮影した作業員やAGVの動きなど
採用している製品/サービス/技術映像を解析するAI(ニューラルポケット製)など
稼働時期2019年11月25日から同12月20日まで実証実験を実施する予定