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デンマークの農業研究機関、牛の発情や疾病を検知する日本発のIoTシステムの精度を検証へ
2019年12月9日
デンマークの農業研究機関SEGESは、牛の行動をセンサーとAI(人工知能)で監視するシステムの精度を確かめるための実証実験を実施する。延べ約600頭の牛を対象に実施する。牛の監視システムを提供するデザミスなどとともに2019年12月2日に発表した。
デンマークのSEGES(シージェス)は、農家が新しい技術や手法を積極的に取り入れるためのコンサルティングなどを提供する農業研究機関。新技術などの審査や導入支援を農家に代わって実施する「FarmTest」プログラムを実施している。
今回、FarmTestの一環で、牛の行動をリアルタイムに監視するシステム「U-motion」(デザミス製)が、発情や疾病の兆候の通知が、一定基準以上の品質に達しているかどうかを検証する(写真1)。
実験は、デンマーク国内の約200頭規模のフリーストール(放し飼い)牛舎や牧場3カ所を対象に、2019年12月から2020年9月まで実施する(写真2)。延べ約600頭のホルスタイン牛を対象にする計画だ。
U-motionでは、牛に専用センサーを装着し、採食や飲水、起立、横臥(おうが)、歩行、反芻(はんすう)などの行動データを24時間収集し、クラウドに蓄積する。
クラウド上でデータをAI(人工知能)で解析し、発情兆候や健康状態を検知する。PCやスマートフォンなどから確認できるため、人手による観察では時間が足りない状況での農場管理を支援できるという。
実証実験には、U-motionを提供するデザミスと、ITベンダーのNTTテクノクロスが参加する。今後、U-motionが十分な性能を有するという試験結果が出れば、その結果はSEGESがレポートにし公表する。デザミスとNTTテクノクロスは、欧州を筆頭に他地域への海外事業展開を進める予定である。
企業/組織名 | デンマークの農業研究機関SEGES |
業種 | 農林水産 |
地域 | デンマーク |
課題 | 牛の発情や疾病などを正確に予見したい |
解決の仕組み | 牛にセンサーを装着し、行動データを常時収集して監視・分析する |
推進母体/体制 | SEGES、デザミス、NTTテクノクロス |
活用しているデータ | 牛の行動データ(採食、飲水、起立、横臥、歩行、反芻など) |
採用している製品/サービス/技術 | 牛の行動監視システム「U-motion」(デザミス製)など |
稼働時期 | 2019年12月から2020年9月までの実証実験 |