• UseCase
  • 製造

エネルギー事業のJXTG、新事業の創出に向け複数スタートアップと協業

DIGITAL X 編集部
2020年4月2日

エネルギー事業を手がけるJXTGホールディングスが新規事業事業の創出に当たり、スタートアップ企業との協業を強化している。このほど農業用ロボットを開発するAGRISTへ出資。2020年1月には自転車などのシェアリングサービスを手がけるOpenStreetにも出資している。各社生との協業により新規事業の展開を加速する。2020年1月31日に発表した。

 JXTGグループは、2040 年に向けたグループ長期ビジョンで、「街づくり事業」や「モビリティサービス事業」といった新事業の創出、低炭素・循環型社会への貢献などを挙げている。その実行に向けてスタートアップ企業と組み、JXTGグループが持つリアル拠点やエネルギー提供力を生かす。

 2020年3月27日に出資したAGRISTは、農作物の収穫ロボットを開発するスタートアップ企業(写真1)。ここにJXTGの営農型発電事業による再生可能エネルギーを組み合わせる。

写真1:AGRISTが開発する農作物の収穫ロボット

 営農型発電事業とは、農作物の生産地の上部空間に太陽光発電設備を設置し、農業と発電の両立を図るもの。両者は2020年夏をメドに設備を開発・実証する予定で、ロボットによる自動化と再生可能エネルギーの普及により農業の課題解決するとしている。

 一方、2020年1月31日に出資したOpenStreetは、自転車などのシェアリングサービスを手がけるスタートアップ企業。MaaS(Mobility as a Service)を睨んだモビリティサービスを展開したい考えだ。

 JXTGとOpenStreetの接点は、自転車やスクーターなどを貸し出すための拠点と電力。JXTGグループは全国1万3000カ所にENEOSサービスステーションを持ち、OpenStreetは全国206カ所の市町村にモビリティステーションを設置している(図1)。そこにJXTGの電力事業ネットワークなどを重ねる。

図1:OpenStreetが展開するシェアリングプラットフォーム

 OpenStreetとの取り組みは2点。1つは、OpenStreetが保有するモビリティステーションへの太陽光発電や蓄電池などによるエネルギーの供給(図2)。2023年をメドに電動アシスト自転車や電動スクーターなどが利用する電力として提供する。

図2:JXTGグループとOpenStreetが協業で構築するモビリティステーションのイメージ

 もう1つは、モビリティサービスに関するデータ活用による新サービスの創出である。2023年を目標にモビリティデータを扱うプラットフォームを構築する。

 これらスタートアップ企業には、同社のCVC(Corporate Venture Capital)であるJXTGイノベーションパートナーズ経由で出資している。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名JXTGグループ
業種製造
地域東京都千代田区(本社)
課題化石燃料の需要構造が変わる中、「街づくり事業」や「モビリティサービス事業」といった新事業の創出や低炭素・循環型社会への貢献が求められるようになってきた
解決の仕組み複数分野のスタートアップ企業に出資し、協業による新規事業創出を加速する
推進母体/体制JXTGグループ、JXTGイノベーションパートナーズ、AGRIST、OpenStreet
活用しているデータ農業用ロボットの動作、太陽光発電の状況、自転車やスクーターのシェアリングサービスで発生するデータなど
採用している製品/サービス/技術各種データを扱うプラットフォーム。シェリングサービス用途は2023年を目標に構築する予定