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山口フィナンシャルグループ、日々の行動でローンの与信に反映させるサービスを開始

DIGITAL X 編集部
2020年4月3日

スマートフォンを使って把握した利用者の日々の行動をカードローンの与信に反映するサービスを山口フィナンシャルグループが2020年2月4日から開始している。リリップを企画・開発したディー・エヌ・エー(DeNA)が2020年2月4日に発表した。

 山口フィナンシャルグループ(FG)が2020年2月4日に開始した「ワイエムリリップカードローン」は、日々の行動データをカードローンの与信に利用するサービス。ディー・エヌ・エー(DeNA)が企画・開発した「Rerep(リリップ)」を使い、山口FG傘下の山口銀行(山口市)、もみじ銀行(広島市)、北九州銀行(北九州市)の3行が提供する。

 ワイエムリリップカードローンは、申込時に満20歳から65歳以下の安定収入がある人(自営業者、専業主婦および年金受給者を除く)を対象に50万円を融資するもの。金利は一律14.5%(保証率含む)だが、日々の行動に応じたキャッシュバックが受けられるのが特徴。キャッシュバックは最大4.8%分に相当する。

 キャッシュバックを受けるために利用者は、スマートフォンに専用アプリRerepをインストールし、日々の行動を「ミッション」として登録していく。ミッションとは、「起床予定時間」や「起きた時間」「毎月のお金の利用用途」「通勤時間」「ランチの平均金額」「趣味」など(図1)。ミッションを実行することで利用者の行動変容を促すよう設計されてているという。

図1:利用者が「Rerep」に登録する「ミッション」の例

 利用者がミッションをクリアすると信用スコアが積み上がり、スコアに基づいてキャッシュバックを提供する。リリップカードローンの金利は最初、利用者にかかわらず一律だが、行動に基づく信用スコアによりキャッシュバックすることで個々の利用者に金利を変動させていることになる。一般のローンでは、申込者の経歴や肩書き、収入や資産など申込み時点の状況で与信している。

 信用スコアは、利用者がRerepに登録した情報のみから算出する。登録情報は、利用者の許可なくRerepを提供する金融機関以外に提供されることはないとしている。

 Rerepを開発したDeNAは今後、他の金融機関との提携を拡大し、Rerepのサービス提供範囲を広げたい考えだ。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名山口フィナンシャルグループ
業種金融
地域山口県下関市(本社)
課題利用者の過去ではなく今に着目した金融サービスを用意したい
解決の仕組み日々の行動データを登録してもらい、そこから信用スコアを算出し、利用者それぞれのレートを見直し、初期レートとの差額をキャッシュバックする
推進母体/体制山口フィナンシャルグループ、DeNA
活用しているデータ利用者がスマホアプリで登録した行動を示すデータ
採用している製品/サービス/技術カードローン用アプリ「Rerep」(DeNA製)
稼働時期2020年2月4日(サービス開始日)