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メルコインベストメンツ、株式投資の組み合せ最適化計算に量子アニーリング技術を活用

DIGITAL X 編集部
2020年4月6日

株式投資などを手がけるメルコインベストメンツが、数百銘柄ある投資先の組み合わせの最適化を図るために量子アニーリング技術を活用している。金融資産の実運用業務の一部において2020年1月初めに利用を開始した。量子アニーリング技術は富士通が提供した。2020年2月7日に発表した。

 株式投資などを手がけるメルコインベストメンツは、同社が運用する株式投資において、数百銘柄から最適な組み合わせを求めるために量子アニーリング技術の利用を開始した。これにより計算が10分程度でできるようになったという。

 最適化の結果を基に、ポートフォリオ(投資先の組み合わせ)のリスクとリターンを分析することで、リスクの少ないポートフォリオを生成できるとしている。金融資産の実運用業務の一部で2020年1月初めから利用している。

 従来、数百銘柄を対象に最適な組み合わせを探索する計算には膨大な計算量と時間がかかり、事実上不可能と考えられていた。メルコインベストメンツでは、種々の制約を設け問題の規模を小さくしてから組み合わせを探索することでポートフォリオを生成していたが精度の低さが課題だった。

 今回、「組合せ最適化問題」の解法に向くとされる量子コンピューティング技術の1つである「量子アニーリング技術」を利用した。具体的には、富士通と富士通研究所が開発したデジタル回路「デジタルアニーラ」である。量子(物質やエネルギーの最小単位)の物理的な振る舞いに着想を得ている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名メルコインベストメンツ
業種金融・保険
地域東京都千代田区
課題株式投資において数百銘柄から最適なポートフォリオを求めるのに、すべての組み合わせから探索するのが事実上不可能だった
解決の仕組み量子アニーリング技術を利用しすべての組み合わせを対象に計算する
推進母体/体制メルコインベストメンツ、富士通、富士通研究所
活用しているデータ数百の株式銘柄のデータなど
採用している製品/サービス/技術量子現象に着想を得たデジタル回路「デジタルアニーラ」(富士通と富士通研究所が開発)など
稼働時期2020年1月初め