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タイの発電公社、火力発電所の燃費改善に向けたIoTを実証実験

DIGITAL X 編集部
2020年4月6日

タイ王国発電公社(EGAT)は火力発電所の既存設備の効率を高めるためにIoT(Internet of Things:モノのインターネット)などを用いる実証実験に取り組む。発電所の熱効率の改善や、ボイラーなど機器の異常予知による信頼性向上により燃料消費を改善する。実験に協力するNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)などが2020年2月6日に発表した。

 タイ王国発電公社(EGAT)が始めるのは、火力発電所の既存設備の効率化にIoT(Internet of Things:モノのインターネット)やAI(人工知能)、ビッグデータ解析などを活用する実証実験。EGATが保有するマエモ火力発電所の11号機と13号機で2019年度からの約3年間の予定で実施する。

 発電所全体の熱効率の改善や信頼性の向上により燃料消費を改善し、温室効果ガス排出量を削減することで地球温暖化対策への貢献を目指す。二国間クレジット制度(JCM)の活用による温室効果ガス排出削減効果の定量化や情報発信も図る。

 今回検証するのは、(1)発電所全体の熱効率の最適化、(2)ボイラー燃焼の最適化、(3)機器異常の予兆検知の3つである(図1)。

図1:火力発電所の効率をIoTで高める実証実験のシステムのイメージ

 発電所全体の熱効率の最適化では、発電所設備のセンサーから取得する運転状況データを遠隔監視し、各機器の効率や劣化度合いを解析する。その上で、各機器の性能回復に必要な技術を指導し、発電所全体の効率を高める。

 ボイラー燃焼の最適化では、AIのアルゴリズムにより、ボイラーの燃焼や運転を改善する。ボイラーなどに灰が付着するのを防ぐ煤除去装置の運用の最適化も図る。

 機器異常の予兆検知では、AIのアルゴリズムを用いて、発電所内の機器の運転状況のビッグデータを分析する。そこから故障や事故が発生する前に異常を検知し、運転員へ対処法を知らせる。

 今回の実証実験は、タイのエネルギー省(MOE)と、日本のNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が協力合意書(LOI)を取り交わして実施するもの。実際の実験は丸紅に委託される予定である(図2)。

図2:実証実験の実施体制
デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名タイ王国発電公社(EGAT)
業種公共
地域タイ・マエモ(当該発電所の所在地)
課題地球温暖化対策に貢献するために、既存の火力発電所の効率を高め温室効果ガスの発生を削減したい
解決の仕組みIoTやAIなどを用い発電所全体の熱効率からボイラーの燃焼の効率を高めると同時に、機器の異常を予知し事故や故障を防止する
推進母体/体制EGAT、タイのエネルギー省(MOE)、日本のNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)、丸紅
活用しているデータ発電所設備のセンサーから取得する運転状況データなど
採用している製品/サービス/技術IoTやAI、ビッグデータ解析など
稼働時期2019年度から約3年間の予定