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竹中工務店、建設ロボットの自律走行と遠隔管理のための基盤技術を開発

DIGITAL X 編集部
2020年4月14日

竹中工務店が建設ロボットの自律走行と遠隔管理のためのプラットフォームを開発した。建設ロボットの保守・運用業務の効率を高めるのが目的で、2020年度中に本格展開する計画である。2020年2月14日に発表した。

 竹中工務店が開発したのは、施工段階の清掃や建設資材の自動搬送、日常の品質管理記録などを実行する建設ロボットを運用・管理するためのプラットフォーム(図1)。鹿島建設との技術連携で開発を進める「場内搬送管理システム・建設ロボットプラットフォーム」における竹中工務店が担う開発項目である。ベンチャー企業のブレインズテクノロジーに委託して開発を進めた。

図1:建設ロボットプラットフォームの概略

 建設ロボットプラットフォームは、建設ロボットが自律走行するための経路を作成したり遠隔操作・監視をしたりするための基盤になる。そのためにBIM(Building Information Modeling)データを活用する。

 BIMデータは3D(3次元)の建物モデルに仕上げ方法やコスト、管理情報といった属性データを追加したもので、一般には建物の設計から施工・維持管理までの工程で活用する。今回はBIMデータを地図情報として活用している。

 建設ロボットの遠隔監視・制御およびロボットに搭載したソフトウエアのアップデートはクラウド経由で実施する。ロボットの移動および作業範囲もクラウド上の3D地図を使って設定することで、遠隔地から建設ロボットの自律走行を指示できるようにした(図2)。

図2:建設ロボットプラットフォームのアプリケーション例

一般に施工中の建物で建設ロボットを運用するためには、作業範囲を指示するためにターゲットになるカラーコーンを設置する必要がある。ロボットの稼働台数が増え機能も高度化することで、ロボットの保守・運用業務が課題になってきている。

 今回開発したプラットフォームを使えば、現場にカラーコーンを設置する手間が省けるほか、カラーコーンが見える領域に限られていたロボットの作業範囲を拡大させることができる。

 竹中工務店は同プラットフォームを2020年6月まで試用し、2020年度中に本格的に展開する計画である。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名竹中工務店
業種製造
地域大阪市中央区
課題建設ロボットの保守・運用業務の効率を高めたい
解決の仕組みBIM(Building Information Modeling)データを活用しロボットが自律走行するための経路・遠隔シミュレーションおよび遠隔操作・監視を可能にする
推進母体/体制竹中工務店、ブレインズテクノロジー
活用しているデータBIMデータ
採用している製品/サービス/技術「建設ロボットプラットフォーム」(自社開発)
稼働時期2020年6月まで試用し2020年度中に本格展開する計画