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鹿島建設、土木工事現場へ四足歩行ロボット「Spot」を導入

DIGITAL X 編集部
2020年4月15日

鹿島建設は土木工事現場に四足歩行型ロボット「Spot(スポット)」(米Boston Dynamics)を導入した。神奈川県のトンネル現場で2018年11月に実証実験を実施し、その結果をもとに利用現場を検討し、改良したロボットを2019年12月より導入した。ソフトバンクロボティクスならびにソフトバンクの協力を得た。2020年2月20日に発表した。

 鹿島建設は、新規入職者の確保や生産性の向上のために、ICT技術の導入や自動化への取り組みを加速させている。その一環として、現場巡視や工事の進捗管理、安全管理といった業務へのロボット技術の導入、適用を検討してきた。

 今回、土木工事現場に四足歩行型ロボット「Spot(スポット)」(米Boston Dynamics)の導入を決めた。

 導入に向けては、2018年11月に実証実験を実施した。横浜環状南線の釜利谷ジャンクションCランプトンネル工事において、360度カメラを搭載したSpotを制御室から遠隔操作し、切羽(掘削箇所)の写真撮影やポンプメーターなどの計器を点検。予め設定したルートに沿った自律歩行による坑内巡視も実施した。

写真1:実証実験における「Spot」の利用状況

 この実験から現場への適用性を確認するとともに課題を抽出。ソフトバンクロボティクスとBoston Dynamicsが、悪路の歩行性能を確認したりインタフェースプログラムを改良したりすることで土木現場への適用性を高めてきた。

 今後はトンネル工事における坑内測量や安全管理のための巡視などを対象に実証実験を実施しながら、四足歩行の特性を活かし、急傾斜地すべり地帯での調査・測量などの危険作業を含めた適用先の拡大を検討していく。

 建設業界では、生産年齢人口の減少や技能労働者の高齢化に伴う将来的な就業者不足などが喫緊の課題になっている。土木工事においては、土木特有の自然環境への対応や地下空間などにおける作業の安全対策も急務である。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名鹿島建設
業種建設
地域東京都港区(本社)
課題生産年齢人口の減少や技能労働者の高齢化に伴い新規入職者が確保しやすく生産性が高い現場を実現したい
解決の仕組み四足歩行型のロボットを使って現場巡視や工事の進捗管理、安全管理などを実施する
推進母体/体制鹿島建設、米Boston Dynamicsソフトバンクロボティクス、ソフトバンク
活用しているデータ設定したルートのデータなど
採用している製品/サービス/技術四足歩行型ロボット「Spot(スポット)」(米Boston Dynamics)
稼働時期2019年12月