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日産、衝突解析や流体解析のための高速処理環境をクラウド上に構築

DIGITAL X 編集部
2020年4月16日

日産自動車は、衝突解析や流体解析を実行するための高速なコンピューティング環境をクラウド上に構築し、2019年11月から本格稼働させている。大量のデータ解析に要する時間の短縮を狙う。同環境を提供するISID(電通国際情報サービス)が2020年3月4日に発表した。

 自動車産業では製品の多様化や短納期化、製品構造の複雑化に伴い解析ニーズが増大している。

 そのため日産自動車は、衝突解析や流体解析などのコンピューターシミュレーションの強化に向けて、高速の処理能力を持つHPC(High Performance Computing)/CAE (Computer Aided Engineering)環境をクラウド上に構築することを検討してきた。検証ケースが多岐にわたる複雑な解析や大量のデータ解析に要する時間を短縮させる必要があるからだ。

 ただ、クラウド上のHPC/CAEと自社環境をシームレスに連携させたり段階的に移行したりするためには、大規模なシステム開発が発生する点が課題になっていた。

 今回、米Rescaleが提供する大規模解析プラットフォーム「ScaleX」を採用することで、クラウド上にHPC/CAEシステムを構築した。現状は自社環境とScaleXを組み合わせたハイブリッド環境で運用しているが、今後はクラウド環境だけに段階的に移行していく。

 システム構築のパートナーにはISID(電通国際情報サービス)を選んだ。ISIDが持つCAEとクラウドインテグレーションの双方に関する知見を評価したとしている。

 利用するScaleXは、高速処理のためのクラウドサービス。ピーク時には数万コアを同時に処理する。CAE分野を中心に300種以上のアプリケーションをマルチクラウド環境に用意しており、必要なときに必要な時間だけ計算リソースを利用できる。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名日産自動車
業種製造
地域神奈川県横浜市(本社)
課題市場変化への対応力を高めるために衝突解析や流体解析などのコンピューターシミュレーションに要する時間を短縮したい
解決の仕組みクラウド上に高速なコンピューティング環境を構築する
推進母体/体制日産自動車、電通国際情報サービス(ISID)
活用しているデータ衝突解析や流体解析に用いる3Dの設計データなど
採用している製品/サービス/技術大規模解析プラットフォーム「ScaleX」(米Rescale製)
稼働時期2019年11月