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荏原製作所、工場内での部品の現在位置をRFIDで管理
産業機械メーカーの荏原製作所は、カスタムポンプの製造ラインにおいて部品の現在位置をRFID(ICタグ)を使ってリアルタイムに管理する仕組みを利用している。システムの導入・運用を支援する日本IBMが2020年3月5日に発表した。
荏原製作所は、製品の品質向上や業務の効率化を図るために製造工程へのIoT(Internet of Things:モノのインターネット)活用を推進している。
その一環として2020年、カスタムポンプを製造する富津工場(千葉県富津市)に部品の位置をリアルタイムに管理するためのRFID(ICタグ)システムを稼働させた。部品の位置情報から在庫や所在を管理し、工場内での部品の収集作業の効率を高め生産性の向上を図る。
工場内の柱に262台のアンテナを設置し、電波によって部品に取り付けたICタグを起電し、そのタグを検知することで部品の位置情報データを収集する(写真1)。富津工場のカスタムポンプの製造ラインである約2万4000平方メートルの範囲をカバーする。
今回採用したのは、米ACCELIOTが開発する「STARシステム」。最大2万5000平方メートルをカバーできるRFIDシステムで、200メートル以上離れたICタグを検知できるという。
STARシステムは、ICタグに電力を供給する機能(送信機)と、ICタグからのデータを読み取る機能(受信機)を独立させることでシステムの拡張性を高めている。送信機を追加すればよい。
ICタグの位置は、送信機の座標と、送電電波の強度および入射角から測定する。この仕組みにより位置情報データの精度を高められるとしている。システムの導入から運用支援までを日本IBMが提供している。
荏原製作所は今後、STARシステムで得られるデータの分析・活用を進めるほか、他工場へも展開し業務効率を高めリードタイムの短縮に取り組んでいく計画だ。
企業/組織名 | 荏原製作所 |
業種 | 製造 |
地域 | 千葉県富津市(富津工場) |
課題 | 製品の品質向上や業務の効率化を図りたい |
解決の仕組み | RFID(ICタグ)システムを製造ラインに導入し、部品の在庫や所在をリアルタイムに把握する |
推進母体/体制 | 荏原製作所、日本IBM |
活用しているデータ | 部品に設置したRFIDタグから得られる部品の位置データ |
採用している製品/サービス/技術 | RFIDシステム「STARシステム」(米ACCELIOT製) |
稼働時期 | 2020年 |