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明治安田生命、営業担当者の接客スキルを高めるトレーニング用スマホアプリを導入へ

DIGITAL X 編集部
2020年4月20日

明治安田生命保険は、営業担当者の接客スキルを高めるためにスマートフォン用アプリケーションを使ったトレーニングを導入する。スマホで撮影した表情や話す速度などをAI(人工知能)で解析し、顧客に与える印象をリアルタイムに採点・分析することで、セルフトレーニングもうながす。アプリはシーエーシー(CAC)が開発した。2020年3月16日に発表した。

 明治安田生命保険が導入するのは、営業担当の「MYライフプランアドバイザー」を対象にした接客スキルのトレーニング用アプリケーション。同社の営業担当者が持つスマホ「MYフォン」用のアプリとして追加する。2020年3月からテスト運用を始めており、全国約3万2000人の営業担当者に順次展開する。

 トレーニング用アプリでは、接客時の表情や、分かりやすい説明や話す速度などをAI(人工知能)で分析し、全国同じ基準で採点・評価する(写真1)。顧客を訪問する前に表情や対話スキルなどを確認したりセルフトレーニングを実施したりすることで、対顧客サービスの向上を目指す。

写真1:営業担当者が持つスマホ「MYフォン」用のアプリの1つとして接客のトレーニング機能を提供する。表情や話し方などのチェックや練習ができる。左は「表情練習モード」の、右は「表情採点モード」の画面例

 トレーニング用アプリには、(1)表情練習、(2)表情採点、(3)スピーチ採点の3つのモードを用意する。表情採点モードは2020年5月に、スピーチ採点モードは2020年8月に、それぞれ追加する予定である。

 表情練習モードは、スマホで自撮りした画面を見ながら、7種類の感情(喜び、怒り、恐怖、驚き、嫌悪、軽蔑、悲しみ)や4種類の表情(笑顔、真剣、好感度、お詫び)を練習できる。表情筋の動きから感情を推定し、顧客にどんな印象を与えているかを採点・評価するという。

 表情採点モードでは、教材に沿いながらスマホに向かって話をすると、その際の表情をAI(人工知能)でリアルタイムに分析・採点する。より良い表情を作るためのポイントを分析レポートで提供する。

 スピーチ採点モードは、発話内容やキーワード、話す速度をAIで採点するもの。教材を使った練習での発話内容をテキスト化し、話す速度や頻出する単語などから、客観的に分析し評価する。

 トレーニング用アプリには、シーエーシー(CAC)が開発した「心sensor for Training」を利用している。表情から感情を推定する感情認識AIには米Affectiva製の「Affdex」を使う。深層学習技術により、表情データの蓄積に伴って精度が高まるとする。世界87カ国以上から900万件以上の表情データを収集・蓄積しているという。

 発話内容の採点モードは、明治安田生命とCACが共同で開発を進めていく予定である。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名明治安田生命保険
業種金融・保険
地域東京都千代田区(本社)
課題対顧客サービスの向上を図るために営業担当者の接客サービスの質を高めたい
解決の仕組み表情や発話内容を全国同一基準で評価したり、セルフトレーニングができる環境を用意する
推進母体/体制明治安田生命保険、シーエーシー(CAC)
活用しているデータスマホで自撮りした顔の表情筋の動きや発話などのデータ
採用している製品/サービス/技術表情から感情を分析するスマホアプリ「心sensor for Training」(CAC製)、感情認識AI「Affdex」(米Affectiva製)
稼働時期2020年3月(テスト運用開始時。順次全国展開)