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島根県邑南町、地域公共交通へのクラウド型配車システムの活用を実証中

DIGITAL X 編集部
2020年5月6日

島根県邑南町が地域公共交通にクラウド型配車システムを活用する実証実験を2020年4月1日から実施している。配車システムを提供する電脳交通が2020年3月31日に発表した。

 島根県邑南町は、羽須美地域において地域公共交通「はすみデマンド」を運行している。国の認定研修を受けた登録ドライバーが自身が所有するクルマを使って地域住民を有料で送迎するサービスで、特定非営利法人はすみ振興会が運用する。

 2020年4月1日からは、タクシー会社向けクラウド型配車システム(電脳交通製)を使った運用を検証している。住民からの利用予約および配車を担当するオペレーターと、タブレット端末を持つドライバーが利用する(図1)。

図1:島根県邑南町の地域公共交通「はすみデマンド」が検証するクラウド型配車システムの概要

 クラウド型配車システムにより、オペレーターとドライバーは常に状況を共有でき、オペレーターは車両の運行状況をリアルタイムに把握できる。加えて、当日の運行実績および移動記録を蓄積しCSVファイル形式で出力することで、ドライバーが作成する乗務日報の作業負荷を軽減する。

 乗務日報の作成に必要な運転記録の出力機能は今回、電脳交通がクラウド型配車システムに新たに開発した。それまでの運行状況から、乗務日報の作成にかかるドライバーの負荷が大きいことが課題として浮上していたからだ。

 邑南町は2019年秋に西日本旅客鉄道(JR西日本)と「地方版MaaS(Mobility as a Service)」の構築に向けた検討を開始。そこから、はすみデマンドの運行を始めた。その後、邑南町とJR西日本、はすみ振興会、電脳交通の4者は、はすみデマンドの利便性を高めるための議論を重ねていた。

 今後は、乗務日報のフォーマットに近い形での出力を可能にしながら配車システムの有用性を評価・検証するとともに、これまでの議論で浮かんできた課題や、見守り、地域医療・福祉サービスとの連携といった期待に対し順次検討を進めたい考えだ。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名島根県邑南町
業種公共
地域島根県邑南町羽須美地区
課題登録ドライバーが自己車両で住民を輸送する地域公共交通においてドライバーの乗務日報作成作業が負担になっている
解決の仕組み配車担当オペレーターとタブレットを持つドライバーが常時、情報を共有できるシステムに、運行実績・移動記録ができる機能を追加しデータを提供する
推進母体/体制島根県邑南町、JR西日本、はすみ振興会、電脳交通
活用しているデータ車両の運転記録および移動記録
採用している製品/サービス/技術クラウド型配車システム(電脳交通製)
稼働時期2020年4月1日