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タイのマヒドン大、新型コロナウイルスの遠隔医療にスマートグラスを導入

DIGITAL X 編集部
2020年5月12日

タイのマヒドン大学医学部付属病院は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の遠隔医療にAR(Augmented Reality:拡張現実)技術を使うスマートグラスを導入している。現場の医療従事者と医師とをオンラインで結び、治療効率の向上やスタッフの感染リスク軽減などを期待する。スマートグラスを提供する米Vuzixの日本法人が2020年4月6日に発表した。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療にスマートグラスを導入したのは、タイの国立マヒドン大学医学部のラマティボディ病院にある医学研究所(CNMI:Chakri Naruebodindra Medical Institute)。タイにおけるCOVID-19患者の検疫に使用される主要施設の1つである。

 陰圧室で働く医療従事者がスマートグラスを装着し、部屋の外にいる医師とコミュニケーションを図る(写真1)。医師は複数の患者に対しリアルタイムで症状を確認し、すぐに適切で指示を出せる。治療効率が高まるだけでなく、患者の近くにいるスタッフ数を減らすことで院内の感染リスクの軽減を期待する。

写真1:医療従事者はスマートグラスを介して医師の指示を仰ぐ

 導入したのは、スマートグラスの「Vuzix Blade」(米Vuzix製)と、同グラスのためのソフトウェア「Ambulance3rd Eyeモジュール」(タイのTely360製)を組み合わせたシステムである。Ambulance3rd Eyeモジュールは、Tely360が総合救急センター用に開発するシステムにおける遠隔コミュニケーション用ソフトウェアだ。

 なおVuzixによれば、米ジョンズホプキンス大学病院のICU(集中治療室)などにおいても、COVID-19に対応するための遠隔回診などのために同社スマートグラスが使用されている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名タイの国立マヒドン大学医学部ラマティボディ病院の医学研究所
業種医療・健康
地域タイ・バンコク
課題新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応で大勢の患者をスタッフの感染を防ぎながら治療しなければならない
解決の仕組みスマートグラスを使った遠隔医療により治療の効率化と患者後直接に接するスタッフ数を削減する
推進母体/体制タイの国立マヒドン大学医学部ラマティボディ病院の医学研究所、米Vuzix、タイのTely360
活用しているデータ医師の指示音声など
採用している製品/サービス/技術スマートグラス「Vuzix Blade」(米Vuzix製)、コミュニケーション用ソフトウェア「Ambulance3rd Eyeモジュール」(タイのTely360製)
稼働時期2020年4月